表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/4

プロローグ 今世と彼女との別れ


「ねぇ!なんでわかってくれないの!おかしいじゃん!これも全部ユミが悪いの?!ねぇ!」


彼女と付き合って3年。相手の深い部分まで理解でき始める頃だ。


ちょっとしたことで()()激しめの癇癪を起こすことは度々あった。

物を投げたり、泣き喚いたり、大声をあげたり。

でもその程度、ちょっと怒りっぽいところがあるだけの可愛い彼女のチャームポイント。

今回のように激しく感情をむき出すところにも慣れて来た……と思ってたけど…



「ま、待ってくれユミちゃん。ゆっくりお話ししよう?さ、流石に包丁は危ない…!由美ちゃんが怪我しちゃったら俺悲しいよ?」


だが流石に今回はまずい。

いつもは、手に持つとすれば、ぬいぐるみとか鞄とかiPadとかだけど……流石に包丁は殺傷能力が高すぎるよ。体で受け止めてあげれる自信がないぞ。



「うるさいうるさいうるさい!ユウトが悪いんだから!なんで連絡無視したの?!ユミが帰ってくるまで何してたの?!」


「ご、ごめんちょっとお風呂に入ってて…」


今回のお怒りの原因は、十分前に送られて来た『駅まで迎えに来て』というメッセージを入浴中故に返信できず、それに痺れを切らした彼女がそのまま家に到着してしまったことにある。


なかなか理不尽な話ではあるが、正論を言ったところで相手はより一層、冷静さから遠のくだけだ。

それと、自分も冷静になってはいけない。

今俺は素っ裸なのだ。髪も乾かせていない。

こんな格好で痴話喧嘩してるのを客観視してしまえば、きっと笑いが堪えられなくなる。

そしたらユミは絶対もっと怒り出す。



「ねぇ?!ユミいつもこの時間に仕事終わるのわかってるよね?!なんでそんなことも考えてくれないの?!いつもいつもユミを怒らせて何がしたいの?!ユミの中をぐちゃぐちゃにするユウトが悪いんじゃん!?」


ちなみにこのくらいの時間に仕事が終わる確率は三分の一である。

割と不規則なのだがそれも今は指摘してはいけない。


「ちょ、ちょっと待ってユミちゃん、振り回しちゃダメだ!あ、危ないよ?!物を振り回す時、よく手からスッポ抜けるんだから、せめてちゃんと握らないと自分に刺さ––––



自分の顔に目掛けて飛んでくる包丁。

その光景を最後に、俺の意識は途切れてしまった。




続きが読みたい!と思っていただけましたら、ブックマーク、評価、コメント、をぜひお願いします。

何かしら残していただけますと励みとモチベーションUPになりますので、よければどうぞお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ