第11章 共闘の刃
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森を揺るがす咆哮。
巨体の魔獣が木々を薙ぎ倒しながら姿を現した。
漆黒の鱗に覆われ、口からは灼熱の炎が滴り落ちる。
「……教会の連中、こんな化け物まで用意したのか」
僕が呟くと、リオネルとレオンは同時に剣を構えた。
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### 2
「リオネル、今は――」
「分かってる。戦うしかない」
二人の声が重なる。
かつて仲間であり、今は敵として向き合った二人。
だが今、この瞬間だけは、同じ敵を前に肩を並べた。
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### 3
魔獣が咆哮と共に炎を吐き出す。
リオネルが盾のように剣を構えて立ち塞がり、炎を弾く。
その背後から、レオンが突き抜けるように剣を振るった。
「はああああっ!」
白光の斬撃が魔獣の鱗を削る。
「まだだ、止まるな!」
リオネルも続き、聖剣を叩きつける。
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### 4
二人の攻撃は噛み合い、互いの隙を補い合っていた。
まるで長年の戦友のように。
その光景を、僕とゼノ、ミレイアは木陰から見守っていた。
「皮肉なもんだな……勇者同士が、こうして背中を預け合ってやがる」
ゼノが低く呟く。
ミレイアは拳を握り、かすかに微笑んだ。
「……きっと、まだ繋がれるはず」
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### 5
魔獣が暴れ、尾で地を薙ぐ。
リオネルが弾き飛ばされそうになった瞬間、レオンがその腕を掴み、引き戻した。
「大丈夫ですか!」
「助かった……!」
短い言葉に、二人の瞳が交わる。
敵同士ではなく、仲間としての視線だった。
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### 6(ラスト)
最後の一撃。
リオネルとレオンは同時に跳び上がり、それぞれの聖剣を振り下ろした。
光が交錯し、魔獣の巨体が断ち割られる。
轟音と共に倒れ伏す魔獣。
静寂が訪れた森で、二人の勇者は息を切らしながら立っていた。
――共闘の刃。
それは一瞬の奇跡に過ぎない。
だが確かに、その場には“勇者の絆”が芽生えていた。
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