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『神様のバグで死んだけど、リスポーン地点が世界のラスボス城でした』  作者: 匿名希望
裏切りの勇者、共闘の誓い

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第10章 二人の勇者、邂逅



### 1


 森の中、剣戟の余韻が残る空気を切り裂いて、レオンが歩み出てきた。

 彼の周囲には柔らかな聖光が揺らめき、血と泥にまみれた戦場の中で、ただ一人清浄な存在のように見えた。


「……あなたがリオネル、なのですね」

 幼さを残した声が夜に響く。


 リオネルは剣を構えたまま、苦しげに唇を結んだ。


---


### 2


 両者の間に漂う空気は、言葉にならない緊張で満ちていた。

 やがて、レオンは一歩前に出る。


「どうして……どうして魔王のもとにいるのですか?

 あなたは人類の勇者だったはずです!」


 その問いは純粋で、まるで子どものようだった。

 だがだからこそ、リオネルの胸を最も深く抉った。


---


### 3


 リオネルは低く答える。

「……俺は人を守るために戦った。だが教会は人を“守らなかった”。

 利用し、見捨て、偽りの光で覆った……だから俺は――」


「嘘だ!」

 レオンが叫ぶ。

「教会は神の導き! 人を導く真実です! あなたの言葉こそ、闇に堕ちた証!」


 その声に、リオネルは言葉を失った。


---


### 4


 僕は横から一歩進み出て、二人の間に視線を投げる。

「……レオン、お前はまだ何も知らない」

 その名を呼ぶと、少年はわずかにたじろぐ。


「教会の影を見たことがあるか? 利用され、捨てられる者の声を聞いたことがあるか?」

「黙れ! 魔王が人を語るな!」


 レオンの瞳は憤りで震えていた。


---


### 5


 その刹那、レオンが剣を抜いた。

 白光が森を照らし出し、空気が張り詰める。


 リオネルもまた剣を構える。

「……避けられないか」


 二人の勇者の視線が交錯し、火花が散るような気迫がぶつかり合った。


---


### 6(ラスト)


 剣が振るわれる――直前。

 森の奥から、さらに強大な魔力の気配が押し寄せた。


 地鳴りと共に現れたのは、教会が放った異形の魔獣。

 “勇者の初陣”を飾るために用意された、巨大な獲物。


 レオンとリオネルの剣先は、同時にそちらへと向いた。


 ――勇者と勇者、初めての邂逅は、思わぬ形で共闘の幕を開けた。


---



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