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『神様のバグで死んだけど、リスポーン地点が世界のラスボス城でした』  作者: 匿名希望
裏切りの勇者、共闘の誓い

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第8章 血の誓い



### 1


 魔王城の地下、薄暗い石造りの広間。

 松明の火が揺れ、壁に長い影を落としていた。

 そこに集うのは、僕とリオネル、ゼノ、ミレイア、そして数人の信頼できる幹部たち。


 場の中心に、黒鉄の杯が置かれていた。

 その中には、赤黒い液体――血の混じった酒が注がれている。


---


### 2


 リオネルが前に進み出る。

 彼の表情は硬く、それでも迷いはなかった。


「俺は勇者だった。……だが今は裏切り者と呼ばれる。

 それでいい。俺は、その烙印を背負う」


 彼は短剣で掌を裂き、滴る血を杯へと注ぎ込んだ。


「俺の誓いはひとつ――この命が尽きるまで、魔王と仲間を裏切らぬ」


---


### 3


 沈黙の後、ゼノが鼻を鳴らしながら進み出る。

「……人間風情の血と混ざるなんざ気分が悪い。だが」

 そう言って自らも掌を切り、血を杯に落とした。

「俺も同じだ。お前が裏切る前に、この牙で食いちぎってやる」


 リオネルは真っ直ぐに頷いた。


---


### 4


 ミレイアもまた、一歩前に出る。

 彼女の紅い瞳が揺れる。

「……私は、あなたを信じるわ」

 短く囁き、彼女も血を杯に注いだ。


 最後に、僕が短剣を手に取る。

「この誓いは、誰に強制されるものでもない。……だが共に歩むための証だ」


 血を注ぎ、杯を掲げる。


---


### 5


 杯は一人一人の手を渡り、唇に触れた。

 血と酒の苦みが喉を焼く。

 だがその苦みは、確かに“絆”へと変わっていった。


---


### 6(ラスト)


 儀式が終わった時、リオネルの瞳には迷いが消えていた。

「……ありがとう。俺はもう、独りじゃない」


 その声を聞きながら、僕は思った。

 ――この誓いこそ、来たる戦いを支える力になる。


 裏切り者の勇者は、血によって仲間と結ばれたのだ。


---



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