第8章 血の誓い
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魔王城の地下、薄暗い石造りの広間。
松明の火が揺れ、壁に長い影を落としていた。
そこに集うのは、僕とリオネル、ゼノ、ミレイア、そして数人の信頼できる幹部たち。
場の中心に、黒鉄の杯が置かれていた。
その中には、赤黒い液体――血の混じった酒が注がれている。
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リオネルが前に進み出る。
彼の表情は硬く、それでも迷いはなかった。
「俺は勇者だった。……だが今は裏切り者と呼ばれる。
それでいい。俺は、その烙印を背負う」
彼は短剣で掌を裂き、滴る血を杯へと注ぎ込んだ。
「俺の誓いはひとつ――この命が尽きるまで、魔王と仲間を裏切らぬ」
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### 3
沈黙の後、ゼノが鼻を鳴らしながら進み出る。
「……人間風情の血と混ざるなんざ気分が悪い。だが」
そう言って自らも掌を切り、血を杯に落とした。
「俺も同じだ。お前が裏切る前に、この牙で食いちぎってやる」
リオネルは真っ直ぐに頷いた。
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### 4
ミレイアもまた、一歩前に出る。
彼女の紅い瞳が揺れる。
「……私は、あなたを信じるわ」
短く囁き、彼女も血を杯に注いだ。
最後に、僕が短剣を手に取る。
「この誓いは、誰に強制されるものでもない。……だが共に歩むための証だ」
血を注ぎ、杯を掲げる。
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### 5
杯は一人一人の手を渡り、唇に触れた。
血と酒の苦みが喉を焼く。
だがその苦みは、確かに“絆”へと変わっていった。
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### 6(ラスト)
儀式が終わった時、リオネルの瞳には迷いが消えていた。
「……ありがとう。俺はもう、独りじゃない」
その声を聞きながら、僕は思った。
――この誓いこそ、来たる戦いを支える力になる。
裏切り者の勇者は、血によって仲間と結ばれたのだ。
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