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『神様のバグで死んだけど、リスポーン地点が世界のラスボス城でした』  作者: 匿名希望
目覚めたら魔王城

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第9章 影で動く者



### 1


 魔王城の最奥、薄暗い回廊。

 人払いされた一室で、ひとりの影がゆらめいていた。


 漆黒のローブに身を包んだ男――四天王の一人、オーガの参謀役にして密偵頭グロウ

 鋭い爪で机を叩きながら、口元に笑みを浮かべる。


「……面白い。あの若造、どうやら本物の力など持っていないな」


 蝋燭の炎が揺れ、壁に不気味な影が踊る。


「だが兵どもは信じて疑わぬ。……ならば利用できる」


---


### 2


 扉の隙間から現れたのは、蝙蝠のような翼を持つ小さな魔族。

 密偵の一人が膝をつく。


「報告いたします。人間軍、次の侵攻の準備を進めております」


「ふん、勇者どもも馬鹿ではないか」

 グロウは鼻で笑った。


「だが好都合だ。奴らを“魔王の偉大な力”によって潰せば、魔族たちの信仰は絶対のものとなる」


 爪の先で地図をなぞる。

 赤い印がいくつも刻まれた戦略図。


「その後に……“真の王”を名乗るのは、この私だ」


---


### 3


 一方その頃。

 僕は全くそんな陰謀など知らず、晩餐の席で苦手な料理と格闘していた。


「陛下、お口に合いませんか?」

 リュミエールが心配そうにのぞき込む。


「いや、あの……このスープ、なんか動いてるんだけど……」

 皿の中で触手のようなものがぷるぷる震えている。


「精がつきますよ」

 にっこり笑うリュミエール。


(いや無理だから! ホラーじゃん!)


 ……僕がそんなことで胃を痛めている裏で、城の闇は確実に動いていた。


---


### 4


 夜更け。

 グロウは塔の上から城下を見下ろし、低く呟いた。


「偽りの魔王か……だが、偽りこそ真実を覆う力となる」


 その瞳には、冷たい野心の光が宿っていた。


---


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