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『神様のバグで死んだけど、リスポーン地点が世界のラスボス城でした』  作者: 匿名希望
裏切りの勇者、共闘の誓い

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第5章 揺らぐ同盟



### 1


 魔王城の戦議室。

 長大な黒曜石の円卓を囲んで、幹部級の魔族たちが座していた。

 壁に掛けられた魔法灯が淡く揺らぎ、重苦しい空気を照らし出す。


「勇者を受け入れるなど、前代未聞だ」

「奴が本当に味方する保証など、どこにある」

「人間は皆、裏切るものだ!」


 怒号が飛び交い、円卓を叩く拳の音が響いた。


---


### 2


 その中心にいるのは僕――新たな魔王と呼ばれる存在。

 そして、隣にはリオネルが静かに座っていた。

 彼の肩には緊張が張りつめ、視線は決して逸らさない。


「……俺はここで戦うと誓った。疑うなら、この命で証明する」

 短く放たれたその言葉に、場は一瞬だけ沈黙した。


---


### 3


 だが沈黙を破ったのは、鋭い声だった。

「証明? それで我らの血が無駄に流れるなら、最初から受け入れぬ方がいい!」

 発言したのは古参の将軍、黒鉄の甲冑を纏う女魔族――ザルマ。


「人間の勇者を傍に置くなど、我らの誇りを踏みにじる行為だ。魔王よ、なぜそこまでして奴を庇う!」


 突きつけられた問いに、円卓の視線が一斉に僕に集まった。


---


### 4


「理由は単純だ」

 僕は静かに告げる。

「この世界の敵は、人間か魔族かではなく――“争いを利用し続ける者”だ。リオネルは、その鎖から逃れた勇者だ。だからこそ、必要なんだ」


 その言葉に、ザルマの眉が吊り上がる。

「理想論だ!」


 激しい応酬の最中、扉が乱暴に開かれた。


---


### 5


 駆け込んできた伝令の魔族が、息を切らしながら告げる。

「報せです! 王国が……“新たな勇者”を立てたと……!」


 会議室に衝撃が走る。

「新たな勇者だと……!?」

「リオネルに代わる存在を、もう用意していたのか!」


 リオネルの拳が膝の上で強く握り締められた。

 その横顔には怒りよりも、深い悔恨が刻まれていた。


---


### 6(ラスト)


 僕は静かに目を閉じ、心中で呟く。

 ――教会は、最初からこの策を練っていたのだ。


 裏切りの勇者と、新たな勇者。

 二つの光と影が、いずれ衝突する未来を避けられないことを、誰もが悟っていた。


---



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