表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『神様のバグで死んだけど、リスポーン地点が世界のラスボス城でした』  作者: 匿名希望
廃墟に立つ者

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

83/137

第11章 共闘の果て


### 1


 影の残滓が消えた広場には、ようやく静寂が戻った。

 黒い霧は晴れ、崩れかけた建物の隙間から陽光が差し込んでいる。

 だが空気にはまだ、かすかな瘴気が漂っていた。


「……終わった、のか?」

 ゼノが剣を肩に担ぎ、深く息をついた。


「いや……これは一時的な封じだ」

 リオネルが答える。

 その声は疲れ切っていたが、どこか清々しさもあった。


---


### 2


 ミレイアが駆け寄り、彼に回復の魔法を施す。

「無茶をしすぎです……でも、助かりました」


 リオネルは照れ臭そうに顔をそむける。

「礼など要らん……俺はただ、俺の剣を振るっただけだ」


 彼の掌は血で裂け、聖剣を握った跡が深く刻まれていた。

 それでも、その瞳には迷いがなかった。


---


### 3


 僕は彼を見つめながら、胸の奥がざわめくのを感じた。

 勇者として敵対するはずの男と、肩を並べて戦った――。

 それはあり得ない光景だったはずだ。


「アレン」

 リオネルが僕を見た。

「……俺は、いつかお前を斬らねばならない。だが……今日だけは、共に剣を振るえたことを誇りに思う」


 その真っ直ぐな言葉に、僕は答えを返せなかった。


---


### 4


 ゼノが静かに口を開く。

「ならば……俺たちは一時的にでも手を結んだ、ということだな」


 ミレイアも頷く。

「敵であっても……理解し合えるのかもしれない、って」


 誰も声にしなかったが、その場の空気には確かな“絆”のようなものが生まれていた。


---


### 5


 しかし、安堵の時は長く続かなかった。

 広場の向こう――まだ崩れていない城壁の上から、兵の影が見えたのだ。


「……人間の部隊か!」

 ゼノが構える。


 リオネルの顔が険しくなる。

「まずい……王国がここに討伐隊を送っていたのか」


 僕たちは一瞬で理解した。

 共闘の果てに待つのは、新たな“衝突”だった。


---


### 6(ラスト)


 兵士たちがこちらに気づき、警笛が鳴り響く。

 リオネルは聖剣を握りしめ、苦々しく顔を歪めた。


「……これが俺の現実か」


 僕は彼の横顔を見つめながら、胸の奥で決意する。

 ――この男を敵にするのか、仲間にするのか。

 その選択が、いよいよ迫っていた。


---



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ