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『神様のバグで死んだけど、リスポーン地点が世界のラスボス城でした』  作者: 匿名希望
廃墟に立つ者

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第9章 奈落の残滓



### 1


 地響きが広場を揺らした。

 裂け目から溢れ出した黒い霧が、渦を巻きながら天へと昇っていく。

 その中から、何かが這い出してきた。


「……これは……」

 ゼノが剣を握り直す。


 姿を現したのは、人の形をした影の塊だった。

 だがその顔には、かつて奈落に飲まれた人々の呻きが重なり、幾重もの声が響いていた。


「たすけて……ころせ……われらは……」


---


### 2


「奈落に囚われた魂……」

 ミレイアが青ざめ、杖を構える。

「これが……残滓……!」


 影は次々と形を変え、腕が刃となり、背からは歪んだ翼が生える。

 瘴気の塊が弾けるたびに、廃墟の石畳が溶けていく。


「くそっ……!」

 ゼノが飛び込み、剣で影の腕を受け止めた。


---


### 3


 僕も黒炎を展開し、霧を焼き払う。

 だが、一体を焼き尽くしても、すぐに別の形で再生してしまう。


「完全に消しきれない……!」

 焦燥が胸をかすめたとき、後方に目をやる。


 リオネルが立ち尽くしていた。

 聖剣を前にしながら、なお掴もうとしない。


---


### 4


「リオネル!」

 僕は叫ぶ。

「お前が剣を取らなければ、この影は止められない!」


 彼は唇を噛み、震える声で返した。

「だが……俺は……勇者として戦う意味を……失った……」


「意味なんて後からでいい! いまは生きるために戦え!」


---


### 5


 影が咆哮を上げ、無数の腕を振り下ろす。

 ゼノが押し込まれ、ミレイアが防御障壁を張るが、ひびが走る。


「ぐっ……耐えられない!」

「ミレイア!」


 僕は黒炎で割り込むが、全てを防ぎきれるものではない。

 このままでは押し潰される。


---


### 6(ラスト)


 そのとき。

 リオネルが吼えた。


「やめろぉぉぉぉっ!」


 聖剣を掴み、光を放つ。

 その刃が影の腕を切り裂き、瘴気を吹き飛ばす。


 彼の瞳には、再び光が宿っていた。


---



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