第4章 再会の予感
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地上の空気を吸い込みながら、僕は崩壊した都市を歩いていた。
瓦礫を踏みしめるたび、足に痛みが走る。
それでも進まずにはいられなかった。
――あの声が、耳に残っている。
ゼノの叫び、ミレイアの祈り、仲間たちの必死の想い。
奈落の中で僕を支えてくれた記憶が、前へ進む力をくれていた。
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### 2
瓦礫の隙間に、血痕と足跡が残っていた。
比較的新しいものだ。
誰かが、ここを通った。
「……生きているのか……?」
胸がざわめく。
それが仲間のものであることを祈りながら、僕は歩を速めた。
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### 3
そのとき、背後から声が響いた。
「魔王!」
振り返ると、リオネルがまだついてきていた。
血まみれの姿で、よろめきながらも聖剣を携えている。
「お前……まだ俺を追うのか?」
「当然だ……決着は……終わっていない……」
だが、その声には以前のような憎悪ではなく、どこか焦りの色が混じっていた。
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### 4
都市の外れに差しかかる。
壊れた城壁の向こうに、野営の痕跡が見えた。
焚き火の跡、散らばる包帯、置き去りにされた水袋――
人が生き延びていた証。
「……ゼノ……ミレイア……?」
思わず名を呼ぶ。
胸が熱くなり、視界が滲む。
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### 5
リオネルが口を開いた。
「お前の仲間か……?」
「そうだ。必ず再会する……」
僕は黒炎の剣を強く握る。
それは戦いのためではなく、仲間に会うための誓いのように。
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### 6(ラスト)
風が吹き抜けた。
その風に乗って、どこか遠くから人の声が聞こえた気がした。
幻聴か、それとも本物か――。
だが僕の胸は確かに震えた。
「……もうすぐだ。必ず……会える」
再会の予感に導かれ、僕は歩みを止めなかった。
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