第12章 奈落の決戦
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奈落の底で、黒炎と聖光が激突した。
轟音は世界を引き裂くかのように響き、岩壁は砕け、天井から瓦礫が雨のように降り注ぐ。
光と闇が入り乱れ、闇すら焼き尽くす炎と、光すら呑み込む影がせめぎ合う。
「アアアアアアッ!!」
リオネルの叫びは咆哮となり、聖剣を振り抜く。
その刃から放たれる衝撃波が、奈落の奥を一瞬にして崩壊させた。
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### 2
「ぐっ……!」
僕も黒炎を叩きつける。
炎は獣のように唸り、リオネルの影翼を喰い破る。
二人の力は拮抗していた。
だが――互いに限界を超え、体が崩れていくのを感じていた。
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### 3
「魔王……お前を超えることで……俺は真に勇者となる!」
リオネルの瞳には狂気と確信が宿っていた。
「ならば証明してみろ! 俺の炎を超えられるならな!」
咆哮と共に、黒炎の剣を振り抜く。
炎が竜のように形を取り、リオネルへと襲いかかった。
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### 4
リオネルは聖剣を突き上げ、竜の炎を両断する。
光の柱が奈落を貫き、上空の崩れた天井へと突き抜けた。
その一瞬――僕とリオネルの視線が交わる。
互いに倒れることを恐れず、命を賭してでも打ち砕こうとする瞳。
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### 5
「うおおおおおおおおおおっ!」
最後の力を振り絞り、互いに全力で斬りかかる。
黒炎と光が衝突し、奈落全体が崩壊を始めた。
壁が裂け、地盤が沈み、天井が落ちる。
すべてを呑み込む破壊の中で――決着の瞬間が訪れた。
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### 6(ラスト)
閃光。
爆音。
そして、静寂。
瓦礫と煙が晴れたとき、奈落の中心には――なお立っている影が一つだけあった。
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