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『神様のバグで死んだけど、リスポーン地点が世界のラスボス城でした』  作者: 匿名希望
敗北の余韻

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第10章 勇者の変貌



### 1


 リオネルの体を覆う光と闇が、ついに臨界に達した。

 聖剣が悲鳴のような音を立て、刃が黒い結晶に覆われていく。

 彼の背からは翼のような影が伸び、眼は赤黒く輝いた。


「……人間の枠を、超えてやったぞ……!」

 声は低く濁り、もはや別人のようだった。


---


### 2


 その姿は勇者でありながら、怪物でもあった。

 聖なる光と奈落の闇を併せ持つ、異端の存在。

 僕の黒炎さえも、彼の影翼が振るうだけで掻き消される。


「ぐっ……!」

 渾身の一撃を放ったが、リオネルは片手で受け止め、口元に嗤いを浮かべた。


「魔王、お前の炎……もはや俺には届かぬ!」


---


### 3


 瓦礫が降り注ぎ、奈落の床は崩れ続ける。

 その混乱の中でも、リオネルの動きは異様に研ぎ澄まされていた。

 剣戟一つで空気が裂け、衝撃波が壁を砕く。


「こんな化け物に……!」

 僕は必死に黒炎を広げるが、押し返される一方だった。

 手の感覚が麻痺し始め、剣が重く感じられる。


---


### 4


「どうした、魔王! お前こそ人を超えた存在だろう!」

 リオネルの影翼が振り抜かれ、僕の体が壁に叩きつけられる。

 口から血が溢れ、視界が揺れる。


「まだ……負けて……たまるか……!」

 必死に立ち上がるが、膝が震えて思うように動かない。


---


### 5


 リオネルは天を仰ぎ、咆哮した。

「力が……あふれる……! これが神の加護と、奈落の力だ!」


 その声に呼応するように、奈落全体が振動し始める。

 古代の文様が再び光を放ち、彼を中心に渦を描く。


 まるでこの地そのものが、彼の変貌を歓迎しているかのように。


---


### 6(ラスト)


 僕は唇を噛み締め、黒炎をさらに燃やす。

 だが、その火でさえ、彼の変貌した姿の前では小さな灯に過ぎない。


「さあ、魔王! この姿の俺を超えてみせろ!」

 リオネルの咆哮が奈落を震わせ、決戦は新たな段階へ突入していった。


---



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