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『神様のバグで死んだけど、リスポーン地点が世界のラスボス城でした』  作者: 匿名希望
目覚めたら魔王城

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第7章 ハッタリ戦術、炸裂



### 1


 勇者一行が退却した後、城内は勝利の熱気で包まれていた。

 兵士たちは酒を酌み交わし、四天王ですら珍しく笑みを浮かべている。


「陛下のお力、まさに絶大……!」

「人間どもを恐れさせるとは!」


 僕は笑顔を作りながら相槌を打った。

(いや、絶大なのは偶然出てきたドラゴンなんだけど……)


 その夜、寝台の上で天井を見つめながら考え込む。

(……このままだと、いつかハッタリがバレる。でも、もう“魔王”を演じるしかない)


 胃が痛む。でも同時に、不思議な高揚感もあった。

 だって、僕が一言叫んだだけで数千人が動くんだ。

 責任の重さと、舞台役者みたいなスリル。


(よし……なら、徹底的に演じ切ってやろう。ハッタリを武器に!)


---


### 2


 翌日。

 人間軍が再度攻めてくるとの報が入った。今度は数百規模の部隊だという。


 城壁に立った僕は、兵士たちの不安げな顔を見渡した。

(よし、やるぞ……!)


 右手を高く掲げ、声を張り上げる。

「恐れるな! 我が眼差し一つで、敵は灰となる!」


 もちろん、そんな力はない。

 けれど兵士たちの表情が一斉に引き締まった。


 人間軍もざわめいている。


「や、やばい……魔王が何か仕掛けるぞ!」


 僕は心臓バクバクで内心叫んだ。

(誰か、何か起きてくれぇぇ!)


---


### 3


 その瞬間、雷雲が轟いた。

 偶然、天候が荒れ始めたのだ。


 稲光が走り、僕の背後を照らす。


「……っ!?」

 人間軍が一斉に怯え、足を止めた。


「陛下が……雷を召喚なされた!」

「なんという御業!」


 兵士たちが歓声を上げる。


(ちょ、ちょっと待て……ほんとにただの天気だよ!?)


---


### 4


 混乱する人間軍に、ゼフィルスが叫んだ。

「今だ、突撃せよ!」


 魔族兵が一斉に突進し、人間軍は総崩れとなった。

 わずか数分で戦況は決した。


 勝利の雄叫びが上がる。

 僕はただ、天を仰いで震えていた。


(……すごい。僕、何もしてないのに……勝っちゃった)


---


### 5


 戦いの後。

 リュミエールが近づき、じっと僕を見つめる。

「陛下……あなたは本当に、ただの偶然で力を操っているのですか?」


 ドキッとする。

(や、やばい! バレた!?)


 けれど彼女は続けた。

「……いえ、失礼しました。きっと私ごときには理解できぬ叡智があるのでしょう」


 恭しく頭を下げる彼女に、僕は引きつった笑みで応じた。

「う、うむ……その通りだ」


 喉がカラカラに乾いていた。


---


### 6


 夜。

 戦勝の宴が開かれる。

 肉と酒と歌。兵士たちの歓声が響く中、僕は胸の内でつぶやいた。


(……これが、僕の戦い方なんだ。剣も魔法もなくても、ハッタリで勝てる。だったら――)


 杯を掲げ、立ち上がる。

「我らは必ず人間どもを退け、この大地に安寧をもたらす!」


 割れるような歓声。

 その瞬間、僕は気づいた。


(もう僕は、ただの“偽物”じゃない。みんなの目に映る“魔王”そのものだ……!)


---



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