第7章 奈落への墜落
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轟音と共に大地が砕け、僕の体は闇の底へと落ちていった。
黒炎を必死にまとい、瓦礫の直撃を避けながら着地を試みる。
だが、足元の岩は崩れ続け、何度もバランスを失いかけた。
ようやく堅い床に叩きつけられ、息が詰まる。
見上げた頭上には、崩れゆく廃都の残骸が小さな光点となって遠ざかっていた。
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辺りは漆黒の闇。
地下の奥底、誰も踏み入ったことのない奈落。
冷たい空気と、どこからともなく漂う古臭い匂いが肺を刺す。
「……ここは……?」
声を上げても、返ってくるのは自分の反響だけ。
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### 3
だが、静寂はすぐに破られた。
カツン、と金属を踏む音。
闇の中から現れたのは――聖剣を携えたリオネルだった。
彼もまた奈落へと落ちてきたらしい。
その顔に恐怖の色はなく、むしろ興奮の笑みを浮かべていた。
「いい場所だな……魔王。誰も邪魔をせぬ、俺とお前だけの戦場だ」
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### 4
僕はゆっくりと立ち上がる。
全身は傷だらけで、黒炎も限界に近い。
だが――ここで退くわけにはいかない。
「望むところだ、リオネル」
言葉と共に、炎を灯す。奈落の闇を照らす黒き火が、二人の影を揺らめかせた。
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### 5
再び剣と炎がぶつかる。
奈落の広間に轟音が響き、壁に刻まれた古代の文様が青白く輝き出す。
「……文様?」
思わず視線を逸らした瞬間、リオネルの剣が肩をかすめた。
熱い血が飛び散る。
「よそ見をするな! 死ぬぞ!」
リオネルが嘲るように笑い、再び襲いかかる。
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### 6(ラスト)
炎と光の戦いの中で、僕は確信した。
――この奈落には、まだ何かが眠っている。
それを知っているかのように、リオネルの笑みは深まっていく。
「さあ、魔王。ここで終わるのはお前だ……それとも、この世界そのものか!」
奈落への墜落は、新たな謎と恐怖を呼び起こしていた。
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