第4章 廃都の防衛戦
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地下の警鐘が鳴り響く。
兵たちが慌ただしく武器を取り、結界師たちが防御魔法を展開する。
地上からは土煙が立ちのぼり、鎧のきしむ音が地面を震わせていた。
「王国軍……追撃が早すぎる」
僕は立ち上がり、拳を握りしめた。
まだ兵は傷つき、回復も十分ではない。それでも、戦うしかなかった。
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廃都の崩れた城壁をよじ登り、僕は地平を睨む。
そこには王国の旗を掲げた軍勢が広がっていた。
兵の数は少なく見積もっても二万。
こちらは負傷兵を含めて五千にも満たない。
「数では圧倒的に劣るな」
ゼノが肩をすくめ、フードを深く被る。
「だが、ここは廃都。地の利はお前たちにあるはずだ」
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### 3
僕は全軍に命を下す。
「――迎撃だ。決して突破させるな!」
合図と共に、魔族たちが雄叫びを上げる。
獣人は城壁から飛び降り、魔導師は呪文を紡ぎ、竜騎兵は空へと舞い上がった。
瓦礫の街が、一瞬にして要塞へと変わる。
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### 4
王国軍の先陣が雪崩れ込み、戦いが始まった。
廃墟の狭い路地での戦闘は魔族側に有利だった。
瓦礫に潜む伏兵が奇襲をかけ、屋上から矢が雨のように降り注ぐ。
しかし――。
「押し返せ! 勇者リオネル様の御旗に続け!」
王国軍は恐れを知らず、次々と突撃を繰り返す。
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### 5
やがて、聖光が空を裂いた。
リオネルが前線に現れたのだ。
聖剣の一振りで瓦礫が吹き飛び、数十人の魔族兵が消し飛ぶ。
「……来たか」
僕は黒炎を纏い、前に出た。
「魔王! また会ったな!」
リオネルが笑い、剣を構える。
その背後で、兵たちの士気がさらに高まる。
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### 6(ラスト)
僕とリオネルの刃が再び交錯する。
光と炎の奔流が廃都を揺るがし、崩れ落ちた建物が次々と倒れていく。
「今日こそ――お前を討つ!」
「上等だ……リオネル!」
廃都を舞台に、激戦の幕が切って落とされた。
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