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『神様のバグで死んだけど、リスポーン地点が世界のラスボス城でした』  作者: 匿名希望
解放の聖戦

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第9章 戦乱の兆し



### 1


 王都グランディアの軍議の間は、荒々しい声で満ちていた。

 長机の上には地図が広げられ、そこに赤い駒が次々と置かれていく。


「第一軍は北方の要塞へ進軍! 魔族の防衛線を突破せよ!」

「第二軍は東の平原を制圧だ! 補給路を確保する!」


 宰相の命令に将軍たちが次々と応じる。

 勇者を失った王国は、悲嘆を怒りに変え、すべてを戦に注ぎ込もうとしていた。


---


### 2


 一方、魔族領。

 砦に戻った僕は、仲間たちと共に作戦室にいた。

 テーブルの上には急報が積まれている。


「……人間の動きが速すぎる」

 僕は報告書を握りしめ、眉をひそめた。

「勇者を失った直後だぞ。普通なら混乱するはずなのに……」


「きっと宰相が仕掛けてるんです」

 ミレイアが鋭い眼差しで言う。

「民衆の怒りを利用して、戦争を一気に加速させているんですよ」


---


### 3


 そこへ副官の魔将が駆け込んできた。

「報告! 王国軍が北方国境に十万の兵を集結させております!」


 室内の空気が凍りついた。

 十万――それは王国の総力戦に等しい規模だった。


「……もう、止められないのか」

 思わず呟くと、仲間たちは重苦しい沈黙を返す。


---


### 4


 だが、沈んでいる時間はなかった。

「防衛線を整えろ。各砦に連絡を回せ」

 僕は決断を下す。

「人間が来るなら……迎え撃つしかない」


 その言葉に、皆が頷いた。

 恐怖も、怒りも、悲嘆もある。

 だが背を向けるわけにはいかない。


---


### 5


 夜。砦の上から見渡すと、遠くの地平線に焚き火の列が見えた。

 無数の灯が、赤い帯のように夜を染め上げている。

 それは王国軍の野営の火――迫り来る大軍の証だった。


 風に乗って、太鼓と角笛の音がかすかに響いてくる。

 大地そのものが震えているように感じられた。


---


### 6(ラスト)


「……戦争が始まる」

 思わず口にした言葉が、胸に重く沈んだ。


 勇者を失った代償は、誰もが想像した以上に大きかった。

 それは憎悪と狂気に燃える戦乱の炎――。

 その炎が、ついに燃え広がろうとしていた。


---



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