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『神様のバグで死んだけど、リスポーン地点が世界のラスボス城でした』  作者: 匿名希望
解放の聖戦

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第2章 王都潜入作戦



### 1


 勇者アレンと誓いを交わした翌夜、僕たちは王都潜入の計画を立てていた。

 目的は二つ――

 ひとつは、契約の術式を記した“呪印の石板”を奪うこと。

 もうひとつは、王国が新たに魔族討伐の兵を集める前に、その情報を断つこと。


「……つまり、王都の心臓部に刃を突き立てるようなもんだな」

 アレンが呟く。

「成功すれば戦は避けられるが、失敗すれば……」

「俺たちの首が晒される」

 互いに笑みを交わし、その危うさを確認した。


---


### 2


 潜入に選ばれたのは、僕とアレン、そして隠密に長けた魔族の斥候二名。

 夜陰に紛れ、王都外壁の下水路から侵入する。


 湿った空気、腐臭、遠くで滴る水音。

 アレンが鼻をつまみながら小声で言う。

「勇者の旅で竜の巣にも潜ったが……ここは匂いで倒れそうだ」

「黙れ。見張りに気づかれる」

 軽口を叩きながらも、彼の剣の切っ先は揺るがない。


---


### 3


 やがて石造りの階段を上り、僕たちは地上へと抜けた。

 そこは城下町の裏通り。まだ夜明け前で、灯りはほとんど落ちている。

 しかし、王城を囲む警備は異様なほど厳しかった。


「……契約の発効で、王国も俺を警戒しているんだな」

 アレンが低く言い、フードを深くかぶる。


---


### 4


 斥候が先行して戻り、耳打ちする。

「王城地下の宝物庫に“呪印の石板”が安置されている模様です。

 ただし封印が施され、複数の神官が常に監視を――」


「神官か……嫌な相手だ」

 アレンの顔が曇る。

 聖属性の術式は、彼の体に残る契約の鎖を刺激する可能性があった。


「俺が囮になる。お前たちは石板を奪え」

 アレンが当然のように言った瞬間――


---


### 5


「待て」

 僕は彼の肩を掴む。

「囮は俺がやる。お前はまだ傷が癒えていない」


「だが……!」

「誓ったはずだ。共に抗うと。なら、一人で背負うな」


 言葉にアレンは唇を噛み、やがて小さく頷いた。

「……わかった。二人でやろう」


---


### 6


 潜入作戦の火蓋は切って落とされた。

 王都の中心、王城地下へ――。

 赤黒い鎖に抗うための最初の一歩が、静かに始まった。


---



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