表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『神様のバグで死んだけど、リスポーン地点が世界のラスボス城でした』  作者: 匿名希望
血塗られた契約

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

45/137

第9章 勇者との再会



### 1


 深夜。

 地下神殿を離れ、僕は一人で森を歩いていた。

 兵士たちの疑心を鎮めた今、必要なのは――敵の本心を知ること。


 月明かりが差し込む湖畔に、先に立っていた影があった。

 勇者アレン。


---


### 2


 互いに剣を抜くことなく、静かに視線を交わす。

「……来ると思った」

 アレンの声は低く、しかしどこか安堵を含んでいた。


「俺もだ。あの契約のこと、どう思っている」

 問いかけに、アレンは苦い笑みを浮かべた。

「認められるわけがない。だが拒めば……俺は祖国に裏切り者とされる」


---


### 3


 沈黙が落ちる。

 湖面に映る月が揺らぎ、その光が二人の影を重ねた。


「……お前は人間を滅ぼす気があるのか」

 アレンの問いは鋭くも、震えていた。


「俺は、仲間を守るために戦う。それ以上でも、それ以下でもない」

 迷わず告げたその言葉に、アレンの目がわずかに揺れる。


---


### 4


「もしそれが真実なら……俺は剣を向けるべき相手を間違えているのかもしれない」

 勇者の口から漏れた言葉は、自らを縛る枷を打ち破ろうとするものだった。


 僕は思わず踏み込む。

「なら、共に抗わないか? 王国の鎖に」


---


### 5


 だがアレンは首を振る。

「……まだ出来ない。民を裏切るわけにはいかない」

 その瞳に宿るのは迷いと責務の炎。


「だが、俺は見届ける。お前が何者なのかを」

 そう言って、彼は剣の柄に手を添えた――ただし抜かずに。


---


### 6


 湖畔の風が吹き抜ける。

 敵でも味方でもなく、ただ真実を求めて向き合う二人。


「次に会う時、俺は答えを出す」

 アレンはそう告げて背を向け、森の闇に消えていった。


---


### 7(ラスト)


 残された僕は、胸の奥で奇妙な熱を感じていた。

 勇者は敵。だが、同時に……理解者になりうる存在でもある。


(いつか必ず、決断の時が来る。その時……俺は)


 湖面に揺れる月を見つめながら、決意を深めた。


---




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ