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『神様のバグで死んだけど、リスポーン地点が世界のラスボス城でした』  作者: じょんどぅ
真実を裂く刃

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第11章 崩れる戦場



### 1


 空を覆った火矢が、戦場を地獄に変えていた。

 炎が大地を走り、両軍の兵士が混乱の渦に呑まれていく。


「ぎゃあああ!」

「火を消せ! 水を!」

 悲鳴と怒号が入り乱れ、もはや軍としての形は崩壊していた。


 王国軍も、魔族軍も――区別なく炎に焼かれている。


---


### 2


 僕は黒炎を広げ、迫り来る火矢を相殺しながら叫んだ。

「全員、後退しろ! 陣形を立て直せ!」


 しかし兵たちは混乱のあまり耳を貸さない。

 仲間を捨てて逃げ出す者、怒り狂って敵に突撃する者――バラバラだった。


(このままじゃ……全滅だ!)


---


### 3


 その時、側近のリィナが血に濡れた顔で駆け寄ってきた。

「あなたが……声を上げて! 皆、あなたを見てるのよ!」


「俺を……?」

 振り返ると、確かに兵たちの視線が僕に集まっていた。

 恐怖に揺れながらも、何をすべきかを求める目――。


 魔王として、指揮を執ることを。


---


### 4


 胸が重くなる。

 僕は“魔王”なんかじゃない。偽物だ。

 それでも――今、決断しなければ誰も生き残れない。


 息を吸い込み、喉が焼けるほどの声を張り上げた。

「俺の背に集まれ! 生きたいなら、俺と共に戦え!」


---


### 5


 一瞬、静寂が走った。

 そして――炎に照らされながら、兵士たちが次々と僕の後ろに集まってくる。

 恐怖に震えながらも、その背に縋るように。


 人間王国の軍も、混乱のあまり攻めきれず後退していく。


---


### 6


 アレンが遠くからその光景を見つめていた。

 炎に包まれた戦場で、魔王の名を持つ男が人々を導く姿。


(あれが……本当に、魔王なのか? 俺が斬るべき存在なのか?)


 勇者の心に、さらに深い迷いが刻まれていった。


---


### 7


 僕は剣を掲げ、燃え盛る空に黒炎を放った。

「撤退路を開け! 負傷者を守れ!」


 その声に応じて兵たちが動き出す。

 混乱していた戦場が、少しずつ秩序を取り戻していった。


 偽物の魔王が――初めて軍を導いた瞬間だった。


---



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