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『神様のバグで死んだけど、リスポーン地点が世界のラスボス城でした』  作者: 匿名希望
真実を裂く刃

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第10章 裏切りの影



### 1


 戦場の喧騒の中、王国軍の後方では密かに命令が飛んでいた。

「勇者は魔王を引きつけている……今だ、火矢を放て!」


 将軍ドルガンの顔には、不気味な笑みが浮かんでいた。

「勇者が討たれようが構わん。魔王を倒す好機だ」


「し、しかし勇者様は――」

「黙れ! 駒は駒だ」


 その冷酷な一言で、兵たちは矢を番えた。


---


### 2


 一方、最前線。

 アレンと僕の剣と炎が交錯していた。

 互いに息を荒げながらも、どちらも決定打を出せずにいる。


 その時、空が赤く染まった。

「……火矢!?」


 無数の炎が降り注ぎ、敵味方を問わず戦場を焼き尽くす。

 悲鳴が上がり、両軍が混乱に包まれた。


---


### 3


「な……!」

 アレンが驚愕の声をあげた。

 火矢の軌跡は、まるで彼と僕を同時に狙っているかのようだった。


 後方で、将軍の怒号が響く。

「勇者もろとも焼き払え! 魔王を討つためならば構うな!」


 その言葉がアレンの耳に届いた瞬間、胸を鋭い刃で抉られたような感覚が走った。


(俺を……囮に? 王国は……俺を見捨てるつもりなのか!?)


---


### 4


 矢の雨を前に、僕はとっさに黒炎を広げた。

 自分を守るためではなく、周囲の兵士や――アレンを覆うように。


「……なぜ俺を、守る!?」

 アレンが叫ぶ。


「お前を殺したいわけじゃない! 今はまだ……!」

 僕の言葉は炎に掻き消された。


---


### 5


 燃え盛る戦場の中で、勇者の瞳に深い影が宿った。

 自分が信じてきた国が、己を駒として切り捨てようとしている。

 そして、敵であるはずの“魔王”が――命を救っている。


(俺は……いったい、誰のために戦っている?)


 その迷いが、アレンの剣を鈍らせていった。


---


### 6


 後方では、将軍ドルガンがほくそ笑む。

「よいぞ……勇者が倒れれば、我らが英雄として名を挙げられる」


 だがその笑みを、誰も祝福することはなかった。

 兵士たちの胸にも、わずかな疑念が芽生え始めていたのだ。


---


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