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『神様のバグで死んだけど、リスポーン地点が世界のラスボス城でした』  作者: 匿名希望
真実を裂く刃

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第9章 勇者と魔王、再び



### 1


 戦場の喧噪が、遠のいていくように感じた。

 血と炎の渦のただ中で、僕と勇者アレンは向かい合っていた。


 剣を構える彼の姿は、戦場の中で唯一、静謐さを纏っているように見える。

 その瞳には――決意と、揺らぎ。


(また……会ったな)


 言葉にはならず、胸の奥でそう呟いた。


---


### 2


「……魔王」

 アレンが低く声を発した。

「俺は……お前を討たなければならない」


 その声には震えがあった。

 剣先は迷いなくこちらを向いているのに、瞳だけは問いかけていた。


「本当に……お前は敵なのか、と」


---


### 3


 僕は黒炎を纏った手を広げ、必死に言葉を絞り出す。

「俺は……人間を滅ぼす気はない。ただ、ここに生きる者たちを守りたいだけだ!」


「……!」

 アレンの瞳が揺れる。

 だが、その背後で王国軍の兵たちが叫ぶ。

「勇者様! 魔王を斬れ!」

「祖国のために!」


 その声が、彼を縛り付けていた。


---


### 4


 次の瞬間、アレンが駆けた。

 剣閃が閃き、僕の炎と衝突する。

 轟音と衝撃が戦場に轟き、周囲の兵士たちが思わず後退した。


「……戦いたくはない!」

 僕の叫びに、アレンも返す。

「俺だって……そうだ! だが、俺は勇者なんだ!」


---


### 5


 剣と炎が幾度も交錯する。

 火花が舞い、互いの顔を照らすたび、憎しみではなく迷いが浮かぶ。


「もし……お前が本当に敵でないなら!」

 アレンの叫びが剣に宿る。

「なぜ俺たちは戦わなきゃならないんだ!」


 その問いに、答えられなかった。

 僕も知りたい――なぜ世界は、俺たちを敵同士に仕立て上げるのか。


---


### 6


 斬撃と炎が激しくぶつかり合うたび、周囲の戦況も変わっていく。

 兵士たちは「勇者と魔王の戦いだ!」と声を上げ、両軍の視線が集中した。


 もはや、この一騎打ちが戦場の象徴となっていた。

 勝てば希望、負ければ絶望――。


 その重圧が、二人の肩にのしかかる。


---


### 7


 互いの刃が交差した瞬間、アレンが低く呟いた。

「……もし次に言葉を交わせる時が来るなら、剣ではなく……」


 その続きを聞く前に、兵士の怒号と矢の雨が二人を引き裂いた。


 戦場が、また混沌に飲み込んでいく。


---



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