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『神様のバグで死んだけど、リスポーン地点が世界のラスボス城でした』  作者: 匿名希望
真実を裂く刃

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第7章 戦火の前夜



### 1


 月明かりの下、魔王城跡の広場に焚き火が並べられていた。

 兵たちは鎧を外し、火の周りで静かに座っている。

 笑い声もなく、誰もが明日を思い、胸の奥で祈っていた。


 僕もその一人として、焚き火を見つめていた。

 赤い炎が揺れるたび、胸の奥の黒炎が呼応するように疼く。


(明日……俺は、この力を振るう。みんなを守るために)


---


### 2


 ゼフィルスが酒瓶を片手に近づいてきた。

「陛下。前夜に飲むのは武士の常だそうですよ」

 彼は無理に笑顔を作っていた。

「ほら、一口」


「……ありがとな」

 瓶を受け取り、喉を焼くような強い酒を流し込む。

 その熱さが、少しだけ恐怖を和らげてくれる気がした。


---


### 3


 そこへラヴィアも腰を下ろす。

 彼女は焚き火を見つめたまま、囁くように言った。

「私……ずっと怖かったの。もし陛下が本当に“偽物”なら、支えていいのかって」


 僕は息を呑んだ。

 けれど彼女は小さく首を振った。

「でも今は違う。偽物でも本物でも、私は……あなたについていく」


 その言葉に、胸の奥で熱が膨らんだ。


---


### 4


 さらにバルドが現れた。

 彼は豪快に笑いながらも、その瞳には影があった。

「いやはや、陛下。俺の命は明日の戦場で尽きるやもしれませんな」


「縁起でもないことを言うな」


「ははっ。だが、それが戦というもの。……ただ一つ、陛下に頼みます」

 バルドは真剣な眼差しで僕を見据えた。

「たとえ俺が倒れても、この民を……この国を守ってください」


 重みのある言葉に、僕は強く頷いた。


---


### 5


 やがて兵たちが口々に「必ず帰る」と誓い合い始めた。

 剣を掲げる者。仲間の肩を叩き合う者。

 その輪の中心で、僕も声を上げた。


「……必ず生きて帰る。誰一人欠けずに!」


 その言葉に広場は震えた。

 恐怖の夜は、希望の声に塗り替えられていった。


---


### 6


 深夜。

 空を仰ぐと、無数の星々が瞬いていた。

 遠く地平線には、王国軍の松明が赤々と並び、静かに迫っている。


 戦いは明日。

 だが、その運命はすでに決していた。


---



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