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『神様のバグで死んだけど、リスポーン地点が世界のラスボス城でした』  作者: 匿名希望
真実を裂く刃

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第3章 四天王の刃


### 1


 広場の中央。

 崩れた魔王城を背に、僕とバルドは向かい合った。

 群衆は円を描くように後退し、誰もが固唾を呑んで見守っている。


 ゼフィルスが必死に声を上げた。

「やめろ! 今は仲間割れをしている場合じゃない!」


 だがバルドは応えない。

 ただ、巨剣を構え、揺るぎない眼差しで僕を射抜いていた。


---


### 2


 重い空気を裂くように、巨剣が振り下ろされる。

 その一撃は大地を割り、石畳を粉砕した。


「っ……!」

 反射的に身を翻し、僕は黒炎を纏った手で衝撃を弾く。

 爆ぜる火花と轟音。


 群衆が恐怖に叫ぶ声が広がった。


---


### 3


「見せてもらいましょう! 陛下が真の魔王か否かを!」

 バルドの叫びと共に、連撃が襲いかかる。


 巨剣の重みを受け止めるたびに、腕が痺れる。

 押し返そうと力を込めると――胸の奥で黒炎が再び暴れだした。


(……やばい、抑えが効かない!)


 熱が体を蝕み、視界が赤黒く染まっていく。


---


### 4


「陛下!」

 ラヴィアの声が遠くに聞こえる。


 次の瞬間――黒炎が暴発した。

 僕の腕から奔った炎が大地を焼き裂き、周囲に火柱を生み出す。

 兵士たちが悲鳴を上げて後退し、群衆は恐慌状態に陥った。


「な……!?」

 バルドですら目を見開き、思わず足を止めた。


---


### 5


 炎の中で、僕は震えていた。

「違う……俺は、こんな力を望んでない……!」


 けれど炎は意思を持つかのように広がり、僕の足元さえ呑み込もうとする。

 制御できない。

 このままでは、民衆を焼き尽くしてしまう――!


---


### 6


 その時、ゼフィルスが割って入った。

「陛下! この力は恐れるものではない! あなたの意思があれば、必ず従う!」


 ラヴィアも必死に結界を展開し、炎を抑え込む。

「あなたは偽物なんかじゃない! ここにいる私たちの王よ!」


 彼らの声が、炎の轟きの中でかすかに届いた。


---


### 7


 僕は深く息を吸い、胸の奥に問いかける。

(……俺は、何者なんだ? 本当に魔王なのか? それとも――)


 答えは出ない。

 けれど、守りたいものは確かにここにある。


「……従え!」


 叫んだ瞬間、黒炎が一瞬だけ収束し、僕の腕に宿った。

 暴走ではなく、意志の炎として。


---


### 8


 バルドが低く笑った。

「……ふむ。どうやら“偽り”だけではないらしい」


 巨剣を肩に担ぎ直し、彼は背を向ける。

「証明は、ひとまず十分。だが……次は本気で試させてもらいますぞ、陛下」


 そう言い残し、彼は群衆を押し分けて去っていった。


---


### 9


 残された広場は、まだ恐怖と混乱の中にあった。

 人々の視線は、崩れた城と黒炎を纏う僕の姿を往復している。


 信じる者と、疑う者。

 その分断は、もはや明白だった。


---




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