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『神様のバグで死んだけど、リスポーン地点が世界のラスボス城でした』  作者: 匿名希望
勝利の影に潜むもの

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第11章 交錯する真実



### 1


 剣先が僕の胸元に向けられる。

 勇者アレンの瞳はまっすぐで、鋼のように揺らぎがなかった。


 群衆が固唾を呑んで見守る中、僕は声を振り絞った。

「アレン……俺を、本当に“魔王”だと思うのか?」


 わずかに剣先が震える。

 だがすぐに、アレンは強い眼差しで言い放った。

「お前は魔族を率いている。……それが答えだ」


---


### 2


「違う! 俺は……ただ巻き込まれただけなんだ!」

 思わず叫んだ。

 玉座の間にざわめきが広がる。


「巻き込まれた……?」

「どういうことだ?」


 アレンの眉がわずかに動く。

 迷いがある。彼もまた、確信を持てていないのだ。


---


### 3


 僕は必死に言葉を紡ぐ。

「俺は本当の魔王じゃない! ただ、偶然“魔王”として祭り上げられただけなんだ!

 力も……民を導く資格も、本当は何ひとつ持ってない!」


 民衆がどよめく。

「やはり……偽王だったのか!」

「やっぱり裏切り者だ!」


 嘲笑と怒声が入り混じり、空気がさらに荒れていく。


---


### 4


 アレンが低く問う。

「……なら、なぜ逃げなかった。偽物なら、なぜ玉座に座り続けた?」


 胸が抉られる。

 確かに、逃げることはできた。けれど――。


「……守りたかったんだ」

「守りたい?」


 震える声で続けた。

「戦争で苦しむ魔族も、人間も……俺の目の前で泣いている奴らを、どうしても放っておけなかった!

 偽りでもいい……誰かが立たなきゃ、誰も救われない!」


---


### 5


 沈黙が落ちる。

 アレンの瞳に、かすかな揺らぎが走った。


「……お前は、偽りの魔王だ。だが……その言葉に、嘘はないように聞こえる」


 剣先がわずかに下がる。

 だがすぐに、彼は首を振った。


「けれど俺には“勇者”としての宿命がある。たとえお前が誰かを救いたいと願っても……俺は討たねばならない」


 その言葉は、刃よりも鋭く胸に突き刺さった。


---


### 6


 ゼフィルスとラヴィアが間に割って入る。

「勇者! 今すぐ剣を収めろ!」

「そうよ! あなたの敵は陛下じゃない!」


 だが群衆の声がそれをかき消す。

「勇者よ、魔王を討て!」

「偽王に死を!」


 大広間の空気は熱狂に飲み込まれていた。


 アレンと僕の視線が絡み合う。

 そこには迷いも、恐怖も、そして確かな信念もあった。


 次の瞬間――剣が閃き、運命の衝突が幕を開けようとしていた。


---



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