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『神様のバグで死んだけど、リスポーン地点が世界のラスボス城でした』  作者: 匿名希望
勝利の影に潜むもの

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第10章 勇者との邂逅



### 1


 重苦しい民衆の声に包まれたまま、僕は玉座の間に囚われていた。

 処刑を望む叫びが渦巻く中、城門の方から轟音が響く。


「報告! 人間の勇者一行が城門に到達しました!」


 兵士の声に、群衆がどよめく。

「勇者……!」

「ついに決戦か!」


 血の気が引いた。

(まさか、この状況で……!?)


---


### 2


 やがて、大扉が開かれた。

 陽光が差し込み、その中に立っていたのは――勇者アレン。

 白銀の鎧をまとい、剣を腰に携えた姿は、まるで光そのものの化身のようだった。


「……魔王」

 アレンの瞳が僕を捉える。


 群衆がざわめき、やがて静まり返った。

 すべての視線が、僕と勇者に注がれている。


---


### 3


 アレンは一歩踏み出し、声を響かせた。

「人間の王より命を受けた。我ら勇者一行は、この地に住まう魔族の脅威を討つ」


 その言葉は正義の宣告のように響いた。

 民たちが歓声を上げる。


「勇者だ! 勇者が我らを救う!」

「偽りの王など不要だ! 勇者こそ真の希望!」


 叫びは熱狂に変わっていく。


---


### 4


 僕は立ち上がり、必死に声を振り絞った。

「待て! アレン! 俺は……!」


 言葉を続けようとした瞬間、アレンの剣が鞘から引き抜かれた。

 刃が光を反射し、広間を照らす。


「……言い訳は無用だ。俺は迷った。だが今は決めた。

 ――魔王、お前を討つ」


 その瞳に迷いはなかった。


---


### 5


 ゼフィルスとラヴィアが前に出る。

「勇者! 陛下は裏切ってなどいない!」

「彼を信じて! あなたの敵は、本当に魔王なの!?」


 だが、アレンは首を横に振った。

「俺は正義を選ぶ。たとえそれが血にまみれる道であっても」


 静寂が落ちる。

 次の瞬間、剣先がまっすぐ僕に向けられた。


 玉座の間に張り詰めた空気――それは、いつ戦いが始まってもおかしくないほど緊迫していた。


---



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