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『神様のバグで死んだけど、リスポーン地点が世界のラスボス城でした』  作者: 匿名希望
勝利の影に潜むもの

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第8章 参謀の罠



### 1


 深夜の魔王城。

 静寂を裂くように、甲高い鐘の音が鳴り響いた。


「賊だ! 賊が侵入したぞ!」

 兵士たちの叫びが広がり、城内が騒然となる。


 僕は玉座の間から駆け出した。

(賊? この城に……?)


 走り抜けた廊下の先――そこに倒れていたのは、警備兵。

 胸には人間の武器が突き刺さっていた。


「まさか……人間がここまで……」


 その刹那。

 背後から兵士たちの声が飛んできた。


「――陛下! なぜここに!?」


---


### 2


 兵士たちの目が、一斉に僕を射抜く。

 床には、侵入者が落としたらしき巻物が転がっていた。

 拾い上げた瞬間、血の気が引いた。


 それは人間の王国の紋章が刻まれた「密書」だった。

 しかも――中には僕の名前が記されていた。


《魔王を討つため、王国内の勇者と通じよ。協力者は“偽王”に在り》


「……っ!」


 信じられない。

 罠だ。完全に仕組まれた罠。


---


### 3


 兵士たちがざわめき、剣を構える。

「陛下……これは……どういうことですか」

「まさか……人間と通じていたのか!?」


 僕は必死に叫んだ。

「違う! これは誰かが仕組んだんだ!」


 だが、その言葉は虚しく夜に散った。


---


### 4


 その時、参謀グロウが兵を率いて現れた。

「何事かと思えば……なるほど。これは驚いた」


 彼はゆっくりと密書を拾い上げ、兵士たちに見せつけた。

「陛下の名が記されたこの文。――これ以上の証拠がありましょうか」


「違う! 俺はそんなこと……!」

 叫んでも、兵士たちの目は疑念に濁っていた。


---


### 5


 ゼフィルスとラヴィアが駆けつけてきた。

 二人の顔には動揺が浮かんでいる。


「陛下……これは、本当なのですか?」

 ゼフィルスの声は低く震えていた。


 ラヴィアは僕を見つめ、唇を噛んだ。

「嘘だと言って……お願い……!」


 僕は必死に頷いた。

「違う! 絶対に違う!」


 だが、密書の存在がその言葉を打ち砕く。


 グロウの影が、冷たい笑みを浮かべて揺れていた。


---



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