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『神様のバグで死んだけど、リスポーン地点が世界のラスボス城でした』  作者: 匿名希望
勝利の影に潜むもの

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第3章 蠢く人間の王国



### 1


 人間の王都――白大理石の城壁に囲まれた巨大な宮殿。

 夜の帳が降りると、豪奢な謁見の間では静かに会議が進んでいた。


 長い机の奥に座るのは、王国の支配者アルヴェイン王。

 銀髪に王冠を戴き、鋭い眼差しを持つその男は、冷ややかに臣下たちを見渡していた。


「――勇者アレンは、未だ迷いを抱いていると聞く」


 その言葉に、集まった大臣や将軍たちがざわめいた。


---


### 2


 王は指を軽く鳴らした。

 すぐに近衛が進み出て、分厚い書簡を机に置く。


「魔族討伐は、我が王国の威信をかけた事業だ。勇者が迷いに足を取られることは許されぬ」


 低く響く声。

 それは一国の王の威厳というより、冷徹な策士の響きだった。


「陛下……しかし勇者殿を欠けば、軍の士気にも――」


 老臣が言いかけた瞬間、王は目を細めて言葉を遮った。

「勇者とは、国が作り出した“象徴”に過ぎぬ。もし駒として役立たぬなら……取り替えるだけだ」


 凍りつくような沈黙が広間を覆った。


---


### 3


 王は続ける。

「真の敵は魔族ではない。――混乱を恐れ、民を縛る“希望”そのものだ。

 魔族を滅ぼすことで民は我を崇め、国はさらに肥大する」


 臣下たちはうつむき、誰一人反論できなかった。


(陛下に逆らえば……自分の命がない)

 その恐怖が空気に満ちていた。


---


### 4


 会議が終わった後。

 王はひとり玉座に残り、夜空を見上げて呟いた。


「偽りの魔王か……ふむ。ならばこちらも“偽りの勇者”を作るまで」


 その瞳は氷のように冷たく、欲望の炎だけがぎらついていた。


---


### 5


 一方その頃、城の外れの路地。

 ひとりの密偵が闇に紛れていた。


「……王国の思惑、魔王側に伝えるべきか……」


 その正体はまだ明かされない。

 だが確実に、人間と魔族の裏を結ぶ“影”が動き始めていた。


---


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