第4章 神託と偽勇者
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王都の大聖堂。
まだ枢機卿の失脚による混乱が冷めやらぬ中、再び群衆が集められていた。
その場に響いたのは――天から降るような声。
「我が僕セラフィナよ。告げなさい」
人々は震え、地に膝をついた。
聖女セラフィナが前に進み、祈るように手を掲げる。
「神は申されました。
勇者レオンは偽り。
彼は魔王と結託し、人の世を堕落へと導く裏切り者だと」
広場を覆う沈黙。
次の瞬間、群衆は一斉にざわめき出した。
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その報せはすぐに王城へと届いた。
宰相は蒼白な顔で叫ぶ。
「大変です! 各地で“勇者は偽者だ”という噂が広まり、反乱の兆しすら……!」
リオネルが机を叩く。
「ふざけやがって! 誰がどう見てもレオンは本物だろうが!」
ミレイアは苦しげに唇を噛む。
「でも、人々にとって“神託”は絶対なのです。
奇跡を起こす聖女が告げれば……誰も逆らえない」
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### 3
レオンは黙って立ち上がった。
その瞳は迷いを帯びながらも、強い光を宿していた。
「……俺が偽者だって言うなら、それでもいい。
でも、俺が守った命と、この手で掴んだものまで偽りにされるのは許せない」
その声には、勇者としての誇りと、ただの人間としての意地が混じっていた。
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### 4
その夜、僕はレオンと二人きりで話をした。
焚き火の炎が彼の横顔を照らす。
「怖いんだよな」
ぽつりと、彼は呟いた。
「俺が偽者だって言われても……戦い続けるしかない。
でも、もし本当に……俺じゃなくて“誰か”が真の勇者だったら……」
僕は首を振った。
「そんなことはない。お前が俺たちを救ってきたのは事実だ。
神託なんて関係ない。お前は――俺の知る勇者だ」
レオンはしばらく黙って、それから小さく笑った。
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### 5(ラスト)
しかし同じ夜、セラフィナの元には別の“勇者候補”が送り込まれていた。
聖剣の試作品を手にし、冷たい笑みを浮かべる青年。
「神の声が告げた。俺こそ真の勇者だ。
堕ちた勇者を討ち、この世に秩序を取り戻す」
彼の名は――ユリウス。
新たな“勇者”が、ついに姿を現した。
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