表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『神様のバグで死んだけど、リスポーン地点が世界のラスボス城でした』  作者: 匿名希望
「勇者たちの分岐点」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

126/137

第4章 神託と偽勇者



### 1


 王都の大聖堂。

 まだ枢機卿の失脚による混乱が冷めやらぬ中、再び群衆が集められていた。

 その場に響いたのは――天から降るような声。


「我が僕セラフィナよ。告げなさい」


 人々は震え、地に膝をついた。

 聖女セラフィナが前に進み、祈るように手を掲げる。


「神は申されました。

 勇者レオンは偽り。

 彼は魔王と結託し、人の世を堕落へと導く裏切り者だと」


 広場を覆う沈黙。

 次の瞬間、群衆は一斉にざわめき出した。


---


### 2


 その報せはすぐに王城へと届いた。

 宰相は蒼白な顔で叫ぶ。

「大変です! 各地で“勇者は偽者だ”という噂が広まり、反乱の兆しすら……!」


 リオネルが机を叩く。

「ふざけやがって! 誰がどう見てもレオンは本物だろうが!」


 ミレイアは苦しげに唇を噛む。

「でも、人々にとって“神託”は絶対なのです。

 奇跡を起こす聖女が告げれば……誰も逆らえない」


---


### 3


 レオンは黙って立ち上がった。

 その瞳は迷いを帯びながらも、強い光を宿していた。


「……俺が偽者だって言うなら、それでもいい。

 でも、俺が守った命と、この手で掴んだものまで偽りにされるのは許せない」


 その声には、勇者としての誇りと、ただの人間としての意地が混じっていた。


---


### 4


 その夜、僕はレオンと二人きりで話をした。

 焚き火の炎が彼の横顔を照らす。


「怖いんだよな」

 ぽつりと、彼は呟いた。


「俺が偽者だって言われても……戦い続けるしかない。

 でも、もし本当に……俺じゃなくて“誰か”が真の勇者だったら……」


 僕は首を振った。

「そんなことはない。お前が俺たちを救ってきたのは事実だ。

 神託なんて関係ない。お前は――俺の知る勇者だ」


 レオンはしばらく黙って、それから小さく笑った。


---


### 5(ラスト)


 しかし同じ夜、セラフィナの元には別の“勇者候補”が送り込まれていた。

 聖剣の試作品を手にし、冷たい笑みを浮かべる青年。


「神の声が告げた。俺こそ真の勇者だ。

 堕ちた勇者を討ち、この世に秩序を取り戻す」


 彼の名は――ユリウス。

 新たな“勇者”が、ついに姿を現した。


---




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ