第2章 崩れゆく教会
### 1
王都の混乱が収まらぬうちに、各地から次々と知らせが届いた。
「地方の修道院で暴動発生」
「枢機卿派の神父たちが失踪」
「教会の兵士が脱走し、賊となって山中に潜伏」
その全てが――教会の権威が崩れつつある証だった。
---
### 2
王城の会議室では、重苦しい空気が漂っていた。
王や宰相をはじめ、貴族たちが顔を揃えている。
そして中央には、勇者レオンが座していた。
宰相が机を叩き、声を荒げる。
「勇者殿、あなたが枢機卿を討ったことは賞賛に値する。だがそのせいで、教会の統制が崩れた!
地方は無政府状態だ! 誰が責任を取るのだ!」
広間にざわめきが走る。
---
### 3
レオンは静かに口を開いた。
「責任を取るのは俺だ。
だが、民を苦しめていたのは教会の腐敗だ。
その根を断たなければ、犠牲はもっと広がっていたはずだ」
王が深いため息をつき、苦悩の表情を浮かべる。
「勇者よ……お前の正しさは理解する。だが、この混乱を治める力が今の我らには足りぬ」
---
### 4
リオネルが立ち上がり、豪快に言い放つ。
「なら俺たちが行く! 勇者と魔王が揃ってんだ、教会の残党くらい叩き潰せる!」
その言葉に場が凍りついた。
「魔王……だと?」
「まさか、勇者は魔王と手を組んでいるのか……?」
人々の視線が一斉に僕へと向けられた。
憎悪と恐怖が入り混じった視線。
――その瞬間、僕の心臓は強く跳ねた。
---
### 5
レオンは椅子を蹴って立ち上がり、鋭く言い放つ。
「そうだ。俺は魔王と共に戦っている。
だが誓って言う。彼は人間を滅ぼそうなんて思っていない。
むしろ、俺以上にこの世界の未来を背負おうとしている!」
沈黙が落ちる。
やがて、王が重々しく頷いた。
「……ならば、我らは勇者を信じよう。
民を守るために、共に歩むと誓うのなら」
---
### 6(ラスト)
こうして、勇者と魔王が共に動くことを王国が正式に認めた。
だがその裏で、教会の残党は牙を研ぎ、密かに集結していた。
そしてその中心には――新たな“聖女”を名乗る存在の影があった。
---




