第12章 勇者の証
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光が収まった時、広場には静寂だけが残っていた。
祭壇は消え、瘴気も霧のように散っていく。
枢機卿の姿はもうなかった。
崩れ落ちそうになるレオンを、リオネルが慌てて支えた。
「おい、相棒! 大丈夫か!」
レオンは血に濡れた顔で、それでも笑みを浮かべる。
「ああ……勝ったんだな……」
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### 2
群衆の中から、震える声が上がる。
「勇者様が……救ってくださった……」
「本物の勇者だ……!」
次第にその声は大きな歓声となり、広場を埋め尽くした。
涙を流す者、手を合わせ祈る者、ただ声を上げて喜ぶ者――。
その全ての視線は、傷だらけのレオンへと向けられていた。
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### 3
ミレイアが駆け寄り、光の魔法で仲間たちの傷を癒す。
「あなたは……やっぱり勇者です。
誰かに作られた存在ではなく、あなた自身が……」
レオンは目を閉じ、静かに頷いた。
「……ありがとう。
俺は、俺自身の勇者として生きる」
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### 4
夜空を見上げると、雲が晴れ、星々が瞬いていた。
広場を包むその光は、まるで天が勇者を祝福しているかのようだった。
僕は胸の奥から熱いものが込み上げ、無意識に叫んでいた。
「レオン! お前こそ、本物の勇者だ!」
リオネルも拳を突き上げる。
「おうとも! 俺の誇りの相棒だ!」
人々の歓声が再び広場を震わせた。
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### 5(ラスト)
レオンはその声を受け止めながら、静かに剣を掲げた。
聖剣は澄んだ光を放ち、夜空へと伸びる。
「これが……俺の証だ。
誰かに決められたんじゃない。
俺が選び、俺が歩んだ勇者の証なんだ!」
歓声がひとつに重なり、王都の夜を越えて響き渡った。
こうして――“真の勇者”レオンは、人々にその存在を示したのだった。
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