第9章 殲滅の使徒
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影の使徒が一歩踏み出すたびに、大地が沈み、瓦礫が宙に跳ね上がる。
その圧倒的な存在感に、広場は完全に支配されていた。
「来るぞ!」
レオンは聖剣を構え、全身を緊張で震わせる。
次の瞬間、黒い残像が走った。
――見えない。
剣が振り下ろされたと気づいた時には、すでにレオンの肩が裂けていた。
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### 2
「レオン!」
僕は叫び、癒しの魔術を展開するが、闇の瘴気に阻まれ治癒が遅れる。
リオネルが前に飛び出し、盾を掲げた。
「させるかぁっ!」
だが、影の使徒の腕がかすっただけで盾は砕け、リオネルは地面に叩きつけられる。
「ぐはっ……!」
血を吐きながらも立ち上がろうとする姿に、僕の胸が締めつけられた。
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### 3
ミレイアの詠唱が広場に響く。
「聖なる光よ、護りの壁となれ――!」
彼女の結界が張られ、影の使徒の一撃をかろうじて受け止める。
だが衝突の衝撃でミレイアの体が宙に浮き、石畳に叩きつけられた。
「っ……あぁ……!」
「ミレイア!」
僕は駆け寄ろうとするが、影の使徒の影が足元から伸び、絡みつく。
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### 4
枢機卿の声が広場を満たす。
「見よ! これぞ神の代行者の力だ!
勇者など所詮は影にすぎぬ!」
影の使徒の仮面の奥から、低い声が響いた。
「光を……斬る……」
その言葉と共に、聖剣の輝きがさらに弱まっていく。
まるで存在そのものが喰われているかのようだった。
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### 5
レオンは膝をつき、荒い息を吐いた。
「まだ……だ……」
その手は震えていたが、握る力だけは決して緩まなかった。
血に濡れた顔を上げ、彼は影の使徒を真っ直ぐに睨む。
「俺は……絶対に負けない!
お前に奪わせはしない! 俺は、俺自身の勇者だ!」
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### 6(ラスト)
その瞬間、聖剣の光が一度だけ強く瞬いた。
だが影の使徒も同時に仮面を外し、その下の素顔を晒す。
――それは、レオンと瓜二つの顔だった。
群衆がどよめく。
「な……勇者様……?」
「二人……いる……?」
レオンは愕然としながらも、聖剣を握り直した。
「……俺自身を、斬れってのか……」
影の使徒がゆっくりと剣を構え、無機質に告げる。
「光よ……滅べ」
次の瞬間、二人の勇者が激突した。
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