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『神様のバグで死んだけど、リスポーン地点が世界のラスボス城でした』  作者: 匿名希望
「勇者たちの分岐点」

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第5章 影を超える剣



### 1


 王都西門前。

 レオンは血に濡れながらも、なお聖剣を握り直していた。

 一方のカイルは表情ひとつ変えず、ただ剣を振るう。

 その一撃は重く、正確で、容赦がない。


 だがレオンの瞳には、消えぬ炎が燃えていた。


「俺は……お前を超える」


---


### 2


 カイルの剣が鋭く突き込まれる。

 レオンは咄嗟に受け止め、歯を食いしばる。

 ガキィィン! 衝撃で腕が痺れる。


 それでも踏みとどまり、足を動かす。

 ――受けるだけじゃない。

 攻めて、切り開くんだ。


 レオンは自らの型を崩し、新たな動きで剣を振り抜いた。


---


### 3


 ガァン!

 カイルの鎧に初めて傷が刻まれる。


 群衆がどよめく。

「当たった……!」

「勇者様が……!」


 枢機卿が苛立ちを隠せず叫んだ。

「怯むな! それはお前の影にすぎぬ!」


---


### 4


 カイルの剣筋は、依然としてレオンをなぞるものだった。

 だが、レオンは自分自身を超えようとしていた。


「俺は……型に縛られない!

 教会に決められた勇者でもない!

 俺は――俺自身の勇者だ!」


 その叫びと共に、聖剣が鮮烈な光を放つ。


---


### 5


 カイルの剣と、レオンの剣が正面からぶつかり合う。

 ドガァァン!

 光と闇の衝撃が爆ぜ、群衆が思わず身を伏せる。


 やがて――レオンの剣が勝った。

 カイルの剣は折れ、鎧に深々と聖剣が突き立つ。


「――っ……!」

 初めて、カイルの瞳に揺らぎが生まれた。


---


### 6(ラスト)


 レオンは荒い息を吐きながら告げる。

「お前は影だ。

 でも影は……光があるから生まれる。

 なら俺は――俺の光でお前を斬る!」


 聖剣が振り抜かれ、カイルの身体を貫いた。

 偽りの勇者の影が崩れ落ち、光の粒となって夜空へ消えていく。


 人々は静まり返り――そして、割れるような歓声が広場を包んだ。


---



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