表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『神様のバグで死んだけど、リスポーン地点が世界のラスボス城でした』  作者: 匿名希望
「勇者たちの分岐点」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

114/137

第4章 崩れゆく信仰



### 1


 剣戟が続く。

 レオンの聖剣と、偽りの勇者カイルの剣が打ち合うたび、空気が震えた。

 だがその力の差は明白だった。


 レオンの頬には汗が流れ、肩口から血が滴る。

 一方のカイルは、感情の欠片もない瞳で、ただ機械のように斬撃を繰り返していた。


「俺は……勇者だ……!」

 レオンは叫ぶ。

「勇者は、誰かのために戦う者だ!」


---


### 2


 その声に、人々の視線が揺れる。

 しかし枢機卿は群衆の前に立ち、嘲笑した。


「愚かな民よ! 言葉に惑わされるな!

 神に選ばれしは聖教の勇者カイルのみ!

 あの者は偽物だ、反逆者だ!」


 怒声と共に、教会の兵が群衆を押し込む。

 疑念と恐怖が、再び人々の口を閉ざしていく。


---


### 3


 ミレイアが震える声で僕の腕を掴んだ。

「このままじゃ……レオン様が……!」


 僕も必死に言葉を探すが、声にならない。

 人々の心は、いま鋭い刃の上で揺れている。

 レオンが倒れれば、すべては教会のものに戻る。


---


### 4


 カイルの剣が再びレオンを襲う。

 ガキィィン!

 聖剣が弾かれ、レオンの手から血が飛び散った。


 枢機卿の声が響く。

「見よ! 偽勇者はもはや立つこともできぬ!」


 群衆のざわめきが一層強まる。

「やっぱり……偽物なのか……?」

「いや……でもあの人は……!」


---


### 5


 リオネルが一歩前に出かけたその時、レオンが叫んだ。

「まだだ……!」


 血に濡れた手で聖剣を掴み直し、再び立ち上がる。

 その姿に、民衆の視線が釘付けになる。


「俺は誰に選ばれなくてもいい!

 俺は俺の意思で、ここに立つ!」


 その言葉は鋼のように強く、震える心に突き刺さった。


---


### 6(ラスト)


 人々の中から、小さな声が漏れる。

「勇者様……」

「教会じゃなくても……あの人は、俺たちを守ってくれてる……」


 揺らぎ始めた信仰が、確かな裂け目を見せ始める。

 枢機卿の顔に初めて焦りの色が浮かんだ。


 ――崩れゆく信仰の中で、真の勇者が立ち上がろうとしていた。


---




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ