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『神様のバグで死んだけど、リスポーン地点が世界のラスボス城でした』  作者: 匿名希望
「勇者たちの分岐点」

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第3章 勇者の影



### 1


 王都西門の前。

 レオンとカイル――二人の勇者の剣がぶつかり合い、轟音が響き渡る。


 火花が散るたび、民衆は恐怖と興奮の入り混じった声を上げる。

「どっちが本物なんだ……?」

「聖教の勇者様こそ、神に選ばれた方だ!」

「でも……俺たちを守ってくれたのは、あのレオン様だ!」


 希望と疑念が渦巻き、群衆の心は二つに裂かれていった。


---


### 2


 カイルの剣筋は正確無比。

 まるでレオンの動きをなぞるように、一手一手が重なる。

 だが、その威力は人間離れしていた。


「くっ……同じ型なのに、力が違う……!」

 レオンは必死に受け流しながら歯を食いしばる。


 リオネルが目を細める。

「……やはりそうか。あれは“模倣”だ。

 お前の戦い方をそのまま写し取っている」


---


### 3


 僕は唖然としながらも理解した。

「つまり……レオン自身が、レオンを追い詰めてるってこと……?」


 リオネルが低く頷く。

「そうだ。奴は勇者の影。

 本物を超えるための“造られた勇者”だ」


---


### 4


 カイルは感情のない声で告げる。

「勇者レオン。

 貴様の道は偽り。

 俺こそが正しき勇者――教会に選ばれし者」


 冷たい瞳がレオンを射抜く。

 まるで鏡の中の自分に断罪されているかのようだった。


「俺の……影……」

 レオンは苦悶の声を漏らす。


---


### 5


 刹那、カイルの剣が弾けるように加速した。

 ガキィィン!

 レオンの防御を貫き、肩口に深い傷を刻む。


「ぐっ……!」

 鮮血が石畳に滴る。


 群衆が悲鳴を上げた。

「勇者様が……!」

「やっぱり偽物なんじゃ……!」


 疑念が広がり、民衆の目が揺らいでいく。


---


### 6(ラスト)


 膝をつきかけたレオンを見て、僕の胸がざわめく。

 あの時と同じ――“選ばれなかった勇者”が、再び信仰に押し潰されそうになっている。


 リオネルが低く呟いた。

「ここから先は……奴自身の戦いだ」


 影と影がぶつかる音が、王都の空に響き渡る。

 勇者レオンと、その“影”カイル。

 己自身を超える戦いが、今まさに始まった。


---



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