表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『神様のバグで死んだけど、リスポーン地点が世界のラスボス城でした』  作者: 匿名希望
「勇者たちの分岐点」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

112/137

第2章 偽りの勇者



### 1


 翌朝、王都の空は重く曇り、どこか不吉な気配が漂っていた。

 広場の人々はまだ怯えたまま、しかし勇者レオンを信じようと必死に踏みとどまっていた。


 だが、その小さな希望を打ち砕く報せが、すぐに届いた。


「……西門に、“新しい勇者”が現れたぞ!」


 兵士の叫びが、王都に混乱を広げる。


---


### 2


 僕たちは急ぎ西門へ向かった。

 群衆の視線の先に立っていたのは――確かに「勇者」の姿をした男だった。


 黄金の鎧、光り輝く剣。

 だがその眼差しには、人間らしい温もりは微塵もない。

 まるで作り物のように冷たく、ただ命令に従う人形のようだった。


「俺は……聖教の勇者、カイル。

 この地に巣食う“偽りの勇者”を討つ」


 その剣先が、レオンへとまっすぐ向けられる。


---


### 3


 民衆は混乱した。

「勇者が二人……?」

「どっちが本物なんだ……?」

「教会が言うなら、あの新しい勇者が……」


 人々の視線が揺れ、信頼が崩れ始める。

 レオンは唇を噛み、しかし剣を下ろさなかった。


「……俺が偽りかどうかは、剣で決めるしかないようだな」


---


### 4


 リオネルが一歩前に出る。

「待て。あれは“人間”じゃない。

 血と呪いで作られた、ただの器だ」


 だが枢機卿が群衆に向かって叫ぶ。

「見よ! 新たな勇者を! 神は我らを見捨てていない!」


 群衆の心が再び揺さぶられる。

 リオネルの言葉は届かない。


---


### 5


 カイル――偽りの勇者は一瞬で距離を詰め、レオンに剣を振り下ろす。

 ガキィン!

 金属がぶつかる甲高い音が響き渡る。


 レオンは必死に受け止めるが、その力は常軌を逸していた。

「くっ……重い……!」


 まるで人の筋力ではない。

 それは確かに、“作られた怪物”の力だった。


---


### 6(ラスト)


 剣と剣が火花を散らす中、僕は気づいた。

 ――カイルの剣筋は、どこかレオンに酷似している。


 枢機卿の冷たい声が響く。

「勇者を超えるには、勇者の型を写すのが一番だ。

 お前自身の影が、お前を殺すのだ……レオン」


 広場に走る緊張。

 本物と偽物――二人の勇者の戦いが、今まさに始まった。


---




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ