2話 最弱の勇者候補に隠された力
学校を襲撃した魔物の残骸を調査したクロウは、それが魔王軍によって送り込まれた高度な魔術兵器であることに気づく。
さらに、魔物が狙っていたのは、教え子たちの中でも「最弱」とされる少年・フィンだった。
クロウ「なんでフィンなんかを狙う?あいつ、まともに剣も振れないし、魔法の才能もないはずだ。」
だが、魔物の襲撃時にフィンが無意識に発動した力を目撃していたクロウは、彼の中に何か特別な秘密があるのではないかと疑念を抱く。
授業後、クロウはフィンに声をかけ、軽く剣の訓練をさせる。フィンは自信なさげだが、時折見せる動きには天才的なセンスがある。
クロウ「お前、剣を握ったのは本当にここが初めてか?」
フィン「……分かりません。ただ、小さい頃から剣を持つと……何か変な感覚があるんです。」
フィンは自分でも分からない力を持っていることを告白するが、その正体はまだ謎のままだった。
その夜、クロウは再び校長室に呼ばれる。校長は「予言書の続き」を読み解き、そこにはさらに不穏な一文があった。
予言書「“滅びの鍵”を持つ者は、勇者として讃えられるか、魔王の英雄として恐れられる」
つまり、フィンのような存在は世界を救うか滅ぼすか、どちらかにしかならないのだ。校長はフィンをどう扱うべきか迷うが、クロウはこう断言する。
クロウ「俺があいつを育てる。どっちに転ぶかなんて分からないが、教師として全力で向き合うさ。」
その翌日、魔王軍の使者が学校に現れ、クロウたちに警告を突きつける。
使者「“滅びの鍵”を放棄しろ。それが嫌なら、全てを滅ぼすのみだ。」
フィンを巡る運命が動き出す中、クロウは彼を守るための新たな戦いに身を投じる覚悟を決める。
「最弱と呼ばれた少年の中に眠る力、それが世界を変える鍵となる――次回、『鍵を巡る戦いの幕開け』をお楽しみに!」