1話 勇者学校の問題児たち
異世界・ルクレイド王国の片田舎にある「勇者育成学校」。ここは世界中から選りすぐりの若者たちを集め、次世代の勇者を育てる機関だ。だが、王都から遠く離れたこの学校には、少々問題のある生徒ばかりが送り込まれてくる。
その学校で教師をしているのが主人公・クロウ。
彼は元々冒険者として生きていたが、ある事件をきっかけに引退し、学校の教師となった。
クロウ「勇者なんて大それたもんを育てるなんて、俺には向いてねぇと思うけどな……」
そうぼやきつつも、生徒たちに剣術や戦術を教える日々を過ごしている。彼の教え子たちは才能はあるが個性が強すぎて、全員扱いが難しい。
授業の風景では、生徒たちの個性が早速炸裂する。
リリア:剣術の天才だが短気で喧嘩っ早い。
エリオット:魔法の才能を持つが、極度の自信過剰。
フィン:素質はあるがやる気がなく、いつもサボる。
クロウ「こいつらが本当に世界を救う勇者になれるのか……?」
クロウは内心そう思いながらも、彼らに基礎から徹底的に教え込む。だが、この日もリリアとエリオットの喧嘩が勃発し、授業は中断。
その日の夜、クロウは校長から呼び出される。校長室で見せられたのは、古びた予言書だった。そこにはこう書かれていた。
予言書「次なる勇者は、やがて『滅びを導く者』となる」
校長は困惑した様子で、クロウに相談する。
校長「この予言の真偽は定かではないが、もし本当なら、我々が育てている生徒の中に“滅びの原因”となる者がいる可能性がある……」
クロウは予言を半信半疑で聞き流しつつも、何か胸騒ぎを覚える。
翌朝、訓練場での授業中に突然、魔物の群れが学校を襲撃する。通常、このような場所に魔物が現れることはありえない。
クロウは生徒たちに指示を出しながら応戦するが、襲撃の背後には「魔王軍」の存在があることを知る。
魔王軍は「勇者候補たち」を狙っており、彼らを排除しようとしている。
クロウは魔王軍の指揮官と一騎打ちを繰り広げ、かろうじて勝利するが、その戦いの中で魔王軍が語った言葉が引っかかる。
魔王軍の指揮官「いずれ、お前たちの中から現れる“英雄”こそが、この世界を滅ぼす。覚えておけ……」
魔物の襲撃が去り、勇者育成学校は辛くも日常を取り戻すが、クロウの中には不安が残る。
「俺たちが育てている勇者たちが、世界の滅びに関わる?」
そんな疑問を抱きながらも、クロウは生徒たちと向き合うことを決意する。
次回予告
「勇者候補の中に潜む“滅びの鍵”を巡る陰謀が動き出す――次回、『最弱の勇者候補に隠された力』をお楽しみに!」