表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

みにくいしあわせのとり

作者: 海山 里志

 昔々ある所に、小鳥たちの兄弟が住んでいました。みんな澄んだスカイブルーの見た目なのに、一羽だけは淡いカナリーイエロー。それでも兄弟たちは仲睦まじく暮らしていました。

 さて、日差しがだんだん強まり、新緑の季節となりました。小鳥の兄弟は方々に散って、幸せを運ぶ旅に出ます。そう、この子たちは幸せの青い鳥なのです。そしてカナリーイエローの小鳥も旅に出ました――自分にも幸せを届ける力があると信じて。

「幸せはいりませんか? 幸せはいりませんか?」

 町に降り立っては人々に声をかける小鳥。だが、その姿を見て人は言うのです。

「君は青い小鳥じゃないじゃないか。一体どうやって幸せをくれるというんだい?」

 小鳥は目に涙を浮かべ、しかし何も言えず去るのでした。

 さてある町で、小鳥の耳に歌声が届きました。聞いていて明るくなれる歌でした。声の主はカナリアでした。

 ようし、これなら! そう思って小鳥は歌ってみました。するとどうでしょう! 道行く人々は歩みを止め、小鳥の声に聴き入っていました。その顔には笑みを浮かべています。

 ついに小鳥は幸せを届けることができたのでした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 誰にでも、輝ける方法があるのだ……。という優しさを感じました。 周りと同じようにやっても上手くいかず、自分が周りより劣っていると感じても。きっと、そこが自分の場所ではないだけで。必ず優れた…
[一言]  すごく優しいお話だと思いました。  色が違っても誰かに幸せを届けたいと願う黄色い小鳥が、なんとも健気ですね。  同じお題でも全く違う話になるのが面白いですね。  ありがとうございまし…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ