みにくいしあわせのとり
昔々ある所に、小鳥たちの兄弟が住んでいました。みんな澄んだスカイブルーの見た目なのに、一羽だけは淡いカナリーイエロー。それでも兄弟たちは仲睦まじく暮らしていました。
さて、日差しがだんだん強まり、新緑の季節となりました。小鳥の兄弟は方々に散って、幸せを運ぶ旅に出ます。そう、この子たちは幸せの青い鳥なのです。そしてカナリーイエローの小鳥も旅に出ました――自分にも幸せを届ける力があると信じて。
「幸せはいりませんか? 幸せはいりませんか?」
町に降り立っては人々に声をかける小鳥。だが、その姿を見て人は言うのです。
「君は青い小鳥じゃないじゃないか。一体どうやって幸せをくれるというんだい?」
小鳥は目に涙を浮かべ、しかし何も言えず去るのでした。
さてある町で、小鳥の耳に歌声が届きました。聞いていて明るくなれる歌でした。声の主はカナリアでした。
ようし、これなら! そう思って小鳥は歌ってみました。するとどうでしょう! 道行く人々は歩みを止め、小鳥の声に聴き入っていました。その顔には笑みを浮かべています。
ついに小鳥は幸せを届けることができたのでした。