第五話 父のおもいで
◎ログライン
どこにでもいる思春期の少女りなが、幼なじみの男子たけしと時にはぶつかり時には協力し合い助け合いながら真の友情をはぐくんでゆくちょっとおかしなラブコメディー。
● 登場人物
佐藤りな :天寺高校3年生17歳。2組。家族思いのりなは父が病気で絵を描けなくなってからバラバラになった家族と父の心配をする。そのためりな自身が勉強していい会社に就職し大金持ちになり、幸せだった頃の家族に戻すことが彼女の目的である。
宮本たけし:私立寺東高校3年生17歳。Ⅽ組。女性恐怖症。女の前だと緊張し、心拍数が上がりよく勘違いされる。極度に勉強が嫌いで家庭教師の授業から逃げ出す。口は悪いが姉とは仲がいい。
宮本さえ子:19歳。宮本たけしの姉で優等生。勉強と絵を描く才能がある。その才能により磨きをかけるため海外へ留学をする。
佐藤健太郎:43歳。りなの父。りなへの愛情表現は豊かで、りなもよくなついてくれたが無職になってギャンブルに依存するようになり、競馬場へ入り浸る。
佐藤美野里:40歳。りなの母。娘には厳しく愛情表現が下手。健太郎が失業したため仕事が忙しくなり帰宅時間も遅くなる。りなに買ったプレゼントもゆっくり渡すチャンスもない。宮本大輔の会社で働くOL。
宮本ゆり :38歳。たけしとさえ子の母。さえ子とたけしを優等生に育てたい。優秀なさえ子と比べて勉強嫌いなたけしにはいつも悩まされている。
宮本大輔 :43歳。たけしの父でIT会社の社長。
相生なおこ: 天寺高校3年生17歳。2組。マイペースでいつも彼氏募集中!甘ったるい声が特徴。
天草まさみち: 私立寺東高校3年生17歳。Ⅽ組。昔、たけしと友達だったが、現実を追いつくため、まじめで勉強をし、今は生徒会長になっている。
谷崎るみ: 私立寺東高校3年生17歳。Ⅽ組。モデルとして活動している。彼女はよく男子をからかうこと。
〇 ストーリー
第五話 父のおもいで
雨の渋谷駅付近。撮影の仕事を終えたるみは、帰り道に建物のスクリーンに映された自分の姿を横断歩道から寂しく見上げた。歩道をわたるるみはリヤカーで空き缶を拾う健太郎とぶつかり、落ちた空き缶を手伝い去っていった。
女性恐怖症が治り、サボりたけしを信用できなくなった。りなはゆりと相談をする。ゆりはたけしを女性恐怖症から救ったことに感謝し、りなを全力で手伝うことにした。
秋葉原で買い物をするたけしはクレジットカードで会計をするが、クレジットカードが停止させ、りなから着信で家に帰った。
ゆりは交通費以外にお金を渡すことにし、りなと勉強をしたら5千円ずづ渡すことにした。たけしは母の条件を受けてりなと勉強をすることにした。りなは「アンタがどこに逃げても私は貴方を逃さない」りなは大学の授業料がかかっているつもりで、言ったつもりだったんが、たけしはりなのセリフにキュンと来て「りな……今のセリフ。もう一回!」りなはもう一回言わずたけしを勉強させた。
玄関でたけしと別れた後。りなはスーパーで買い物をし、帰りに空き缶を拾う父健太郎を見かけるが、そうとは気づかず横断歩道を渡る。
ある日、るみが学校の裏でまさみちに告白をした。
「私! まさみちが好き! だから私と付き合って!」
「お前、毎日僕のことを小さいとからかっていただろう……なんで今更……?」
「それは小さくてメガネで……真面目だし……あと……」
「あと?」
「私のパパに似ているから……」
「はい? パパ?」
まさみちはるみの話を聞いた。
「幼いころ両親が昔離婚したの。ママに引き取られたけど、私が好きだったのはパパだった。ずっと会いたかったけど、会えなかった。でも、高校に入ってあなたに会えた。その時、パパと会えた気がしたの」
「ごめん……俺、お前を恋愛対象として見てなかった……それに俺、恋人がいるんだ……」
「え!? 初耳! 誰?」まさみちはなおこが好きだと伝えた。
「なんで!? 私より可愛いいの?」
「いや、なおこは面倒見がよくてたけしのことも助けてくれたし……ちょうど彼氏募集だと言われて、俺から告ったんだ……」
ぼーとするるみ、気まずく去るまさみち。
夕食を用意して、母を待つりなはスマホで父の作品を見て父に会いたいと思った。母が帰家に帰って二人は食事をする。りなは母に父のことを話そうとしてた。 だが、 母はこれから残業するので、今後夕飯はいらないと告げ「寂しいくさせてごめんね」と付け加えた。
それから数日が経ち、 健太郎は坂道で吊らそうにリヤカーを引いていた。 学校帰りのたけしは偶然見かけた健太郎を手伝う。たけしは自販機のコーヒーを買い健太郎に渡す。二人は公園のベンチに座り話をした。「そうか、受験生なんだ……私の娘も、受験生か……」
だんだん健太郎がりなの自慢をし始めた。
「僕の娘はね……勉強の虫でね……いつも勉強してるんだ」
健太郎の話を聞いてたけしはどこかで似たようなことがあった気がした。「あの……俺たちとこかで会ってませんでしたか?」
「さぁ、どうだろう?」二人の会話が終ってたけしは家に戻ってりなと勉強をした。
家に帰ったるみは「ただいま……」と母に言ったが、 返事はなく玄関に見知らぬ靴があった。るみは寝室で喘ぎ声でが聞こえ、悔しく涙を少し溢し、家から飛び出した。一人で遊園地に行きベンチに座り、父と娘がメリーゴーランドを乗っているのを懐かしく見つめるるみだった。
りなと勉強していたたけしは、彼女をじっと見つめる。
「なに?」
「俺たち最初に会ったのはいつだっけ?」
「中3の時でしょ?」
「だよな‥‥‥でも、もっと前に会っている気がするんだよ」
「? もっと前?」
「りな、どこの小学校だった?」
「はい、また勉強から逃げようとする」
「まぁまぁ、教えてたら勉強するから」
「……ささみや小学校……」
「え!? 俺もささみや小学校だよ? あ、思い出した! お前、あの背後霊女か?」
「背後霊? 何それ?」
「ほら、いつも『後ろで静かに勉強する女』僕のこと覚えている? あの時、ゲーム機貸してたんだけど……」
「え? あれ、宮本くんのだったの? ごめん返すの忘れていた……」
「いいよ、返さなくても」
「……って言いか私そんなあだ名で呼ばれてたんだ……
「一人で勉強をしているお前が寂しく見えたから、一緒に遊ぶつもりだったんだ……」
「私、寂しく見えたのか? ありがとう、宮本…確かに私、今まで一人ぼっちだったかも……」
「なんか、運命って感じしない?」
「運命なんて、戯言はいいから勉強するぞ。もうすぐ期末テストだし」
「はい……」こうして二人は勉強をした。
夜、遅く残業をする美野里。帰りの終電に乗り家に向かう。車内で眠ろうとする美野里は、同じ車内でナンパされるるみを見かける。るみは必死に抵抗していた。それを見ていた美野里はるみを助ける。どの駅から降りるかを聞く美野里。
「どこで降りる?」
「ここで降ります…」
「そう」
だが、るみは駅から降りなかった。
「……訳ありならうちに来る?」
「……」
美野里は酔ったサラリーマンからるみを助けるが、そのまま帰宅しようとしないるみを見て事情があると察し家へ連れて行く。
佐藤家に入る美野里とるみ。美野里を迎えるりなはるみを見て動揺する。
「え? 誰? お母さん?」
「なんか訳あり見たいで家に一晩居させる」
食卓に美野里のご飯を見てお礼を言う。
「りな……ご飯いらないって言ったのに……でもありがとう」
美野里、るみにご飯を渡す。
「るみちゃんご飯まだでしょう? 私は食べたから」
りな、複雑な気持ちになる。
るみに布団を渡す美野里。
「一晩気持ちいを整理して、明日には家に帰りなよ」
美野里、寝室に入り寝る。
「君のお母さんはすごいよね、知らない私を家に泊めてくれて……」
「……なにかあった?」
「今は話したくない……」
「そう? なら、私は寝るから、お休みなさい」
翌朝、るみはりなの部屋から消えていた。すでに家の中にもいなかった。
そして期末テスト。りなは2位たけしは66位で順調に成績を上げた。たけしが成績を上げてゆりは喜んでいた。だが、りなはるみのことが気になりかけていた。




