鯛がつれました⭐️
カラリナ褒められたいです
カラリナは今日も公園でのんびりと次の獲物…いえいえお客様を待っていた
朝からずっと水晶を前に古びた椅子に腰掛け待っているが未だ誰もこない
もうすぐおやつの時間だ
そりゃそんなすぐにお客様が長蛇の列になるとかうまくいかないですよね
まあお昼もゆっくり食べてこれからおやつも食べれるからいっか⭐️
カフェで働いていた頃は忙しい日は時間に追われて食事も満足にとれないことがあった。今思うとお金が必要であったにしてもよくそんな職場に勤めていたものだ
やっぱり人間たるもの1日3食とおやつをしっかり食べないといけませんよね⭐️
今日のおやつはドーナツ。いただきます、と砂糖がこれでもかとまぶされたドーナツにかぶりつこうとしたちょうどその時…
「あなたが私の婚約者を惑わせたイケメン占い師ですか??」
顔をあげると不機嫌そうな顔をした見目麗しい男性がカラリナの前に立っていた
「今、なんて言いましたか?」
カラリナは間髪入れず男に聞き返した。
「え?」
「今あなたはなんと言ったのですか!?!?」
カラリナの鬼気迫る様子に男は面食らう。
「だからあなたが私の婚約者を惑わした占い師かと聞いているんです」
「違います」
「え?」
「どんな占い師ですか??何か足りないんじゃないですか???」
カラリナは男の目をじっと見つめながら再度問う。
「え、イケメン占い師…?」
男はしどろもどろと答える。
カラリナはその答えににんまりと内心笑みを浮かべた
そう!!私はイケメン、イケメン占い師!!
こんな美形にイケメンだなんてやっぱり私の男装は完璧ですね!⭐️
カラリナはくくっと笑そうだったがここで笑ったらイケメン占い師が台無しだからぐっと堪えた
こほん、と軽く咳払い
「あなたの婚約者を惑わせたというと?こちらは心当たりが全くないのですが」
澄まして答えたカラリナにさっきまでしどろもどろとしていた男性の様子が一変しまなじりをきっとつりあげる
「私の婚約者、フラーラ嬢のことだ!覚えてないとは言わせないぞ!」
まさかの私の大切なお客様第一号のフラーラさんのお知り合いでしたか。でもフラーラさんが占いにきた時点では誰とも婚約していなかったはず…
もしかしてこの方が隣の隣の国の王子様??
でもそれにしては噂と違って頭があまりよろしくなさそう…げほんげほん
お客様のお名前間違えるのは失礼なことだからこういう誰かわからない時は思い切って相手にちゃんと聞いた方が良いですよね⭐️
「失礼ですが、お名前を伺ってもよろしいですか?」
「私の名前はハロルド・コートナー。この国の時期宰相だ。知らないとは言わせないぞ」
まさかのそっちかーい!しかもフラーラさんあなたと婚約してなかったし!
女癖以外完璧な優秀な方と聞いていたけど、実はそうじゃない?
この人が次期宰相でこの国大丈夫かなぁ滅ばない??
まあでも公爵の息子ということは財力はかなりのものでしょう。つまりカモれる!!!!
「これは失礼いたしましたハロルド様。もちろんあなたさまのことは存じております。ですが少々私たちの間には誤解があるようです。私の知る事実をお伝えしたいと思いますのでよろしければそちらの椅子におかけください」
カラリナが椅子に座るよう促すとむすっとしながらも大人しく椅子に腰掛けるハロルド
「ぜひ詳しくお話をお聞かせください」
さてこの方からいくらむしりとれるか占い師(偽)としての腕の見せ所ですね⭐️
フラーラさんは蝶のように素敵な方でしたがまさにこれは異国の言葉で言うエビで鯛がつれた、ですね♪
フラーラさん素敵なお客様をありがとう⭐️
カラリナ頑張っちゃいます!!
カラリナはいつも通り真摯に(みえるように)ハロルドの目を見つめハロルドが口を開くのを待った