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職を失っちゃいました⭐

カラリナ職を失います

 「リナちゃんごめん!いつも明るく一生懸命働いてくれてるリナちゃんに申し訳ないんだけど…」


朝のやわらかな陽射しが降り注ぐカラリナが勤めるカフェの店内。素晴らしい天気と裏腹に店主のロナルドの表情が暗い。なんだか嫌な予感がする。


「まさか、解雇とかではないですよね??」


 恐る恐るロナルドに尋ねると


 「そのまさか、なんだよ。すまん!ここ最近物価が上昇したうえに客の入りも悪くて…もう夫婦二人暮らすのでやっとな状態なんだ。もう何年も勤めてくれているリナちゃんに申し訳ないんだけど…」


我が国、エメラルド王国の隣のサファイア王国とトパーズ王国が争いを始めた影響でエメラルド王国も被害被り物価や様々な物資の輸入が滞り王国全体が大不況に陥っていた。お店自体が潰れてしまったり、もしくは店と生活を守るため人件費を削減するため従業員を解雇する店も増えていた。そう私が勤めるカフェエスプレッソもそのお店の一つだということだ。


 「ロナルドさん…私この仕事がなくなったらどう生活をしていったら良いのか…」


私は幼い頃に両親をなくし身寄りがない。おまけにこの店の賃金は高いわけでなくそれこそ生活ギリギリだったため貯金もない。職を失えば来月の家賃はおろか食べ物にだって困ってしまう。


 「退職金も少しだが出してやれる。だからそのお金が尽きないうちに次の仕事を探してくれ」


 すまない、とロナルドに頭を下げられる。5年前職がなく困っていた自分を雇ってくれたロナルド。その妻のエリーにもたまに夕食をご馳走してもらったりととてもお世話になってきた。優しい二人であるのは知っている。でもそんな二人でもこのような決断に至ったということはよほど経営状態が悪いのだろう。


 「分かりました。ロナルドさん5年間ありがとうございました」


 「力になれることは少ないかもしれないがどうしても困ったら言ってくれ。できる範囲で力になりたい。本当はリナちゃんにこんな…」


 ロナルドは言葉を詰まらせる。ロナルドの気持ちは痛いほど伝わってきた。


 「いいんです。気にしないでください」


 にこりとロナルドに微笑みかける。先のことは心配だがまあこうなってしまったら仕方がない。諦めて次の仕事を探そう。


 「それではエリーさんにもよろしくお伝えください!お元気で!!」


 今月の給料とわずかな退職金を持って店を後にする。さてこれからどうしようかな。


 とりあえず帰ったら今もってるお金を数えて、家賃と食費を計算してどのくらいもつか計算しよう。そしてできるだけたくさんの求人に応募しよう。もう職種は選んでらんないからとりあえず危なくなければ何でもいいか!


 「負けるなカラリナー!!!君の未来は明るいぞー!!!!」


 急に大声で叫んだ私を通行人が奇妙なものを見るかのように見つめてくる。そんな目で見ないでください恥ずかしい⭐


 亡き母の教えの一つ。どんな時でも明るく前向きに!ちゃんと守りますお母様!





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