星夜祭前日3
ダーラス店が開店を知らせる店の看板をオープンにする。
すると、開店まで待っていた4、5人の客が店に入る。
子供連れの親子ばかりである。
店内を見回す人ばかりだったが、まっすぐ受け付けにくる人物が一人。
「予約していた、スミスですが」
スーツ姿に帽子を被った黒い人物。肌は雪のように白く、180cmはあるだろう長身。
「ありがとうございます。少々、お待ち下さい。ラムちゃん、ラッピングの柄を聞いて。ぬいぐるみだから、袋で」
「はい。お客様、贈り物ですか?」
「ええ」
「ラッピングはいかがでしょうか?」
「お願いします」
「柄はこちらがありますがどちらになさいますか?こちらから選べますが」
ラムはラッピングの柄を見せながら説明する。
「この、青薔薇で。不可能を可能にする幻の花。今、必要なものだ」
(?なんだろう、この人。変わってるのかな?)
「かしこまりました。リボンは?」
「赤に金色のラメ入りで」
「わかりました。お包みします」
「商品はこちらで間違いないでしょうか?」
ユリアが奥から戻ってきて、熊のぬいぐるみを取り出す。熊は鮮やかな水色でつぶらなひとみは黒、可愛らしいが50cmはあるだろう大きさ。
「間違いない。見事な腕前だ。来年の注文も頼む。製作者は?」
「ラムちゃん、ラッピングお願い」
ラムは商品を受け取り、一番大きな紙袋にぬいぐるみを入れ、ラッピングする。
「今日はいません。言付けはしましょうか?」
「いいや、またお店にいる時に連絡しよう。彼は細かいから。いつだといる予定か?」
「そうですね、明後日の夜なら」
「では、その時間に連絡する。では、また頼む」
「お会計は二万ダーラスです」
「ああ。お願いする」
男は財布からお金を出し、会計を済ませる。
「はい。確かに頂きました」
ユリアがお代をレジにしまい、予約表に丸をつける。
「お待たせしました」
最後にリボンにカールをつけ、綺麗に形を作り、渡す。
「ありがとう、ではまた」
「ありがとうございます。またのお越しをお待ちしています」
「ふう。まずは、予約の方からね」
「これくださーい」
「はい!」
ユリアとラムは忙しくレジで会計、ラッピングと動き回り、昼休憩を挟んで閉店の時間となるのだった。
ーーーーーー閉店時間ーーーーーー
ラムは表の看板をクローズにし、店の中に戻る。
「お疲れ様ー!大盛況ー!ね。なくなったでしょ?」
「はい」
(売り場にあったアクセサリー、ストラップはほぼない。次の日の分と取っていた物があるだけだった。予約も半分以上は引き渡し終了で、残りわずか)
「明日の準備を?」
「ええ。並べるわ。何もないと大変だから」
「わかりました。朝のように並べればいいのですか?」
「ええ。売り場だけ合っていれば大丈夫だから。やりましょう」
「持ってきましょう」
ラムとユリアは店に商品を並べ始める。
品物はストラップが増えているようで、ペディロが増やしたようだ。できる限り頑張ったらしい。
「補充しても足りなそうですね」
「ええ、まあ、足りなくなったら売り切れと出すだけだから大丈夫よ」
ユリアは笑いながら言う。
「そうですか」
ラムは複雑な表情をしながら、品物を並べる。
「ただいまー!」
作業が終わった時にムスの声が響く。




