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生贄聖女とお人好し魔技師  作者: 綴螺
お迎えの時間
96/114

星夜祭前日3

 ダーラス店が開店を知らせる店の看板をオープンにする。

 すると、開店まで待っていた4、5人の客が店に入る。

 子供連れの親子ばかりである。

 店内を見回す人ばかりだったが、まっすぐ受け付けにくる人物が一人。


「予約していた、スミスですが」


 スーツ姿に帽子を被った黒い人物。肌は雪のように白く、180cmはあるだろう長身。


「ありがとうございます。少々、お待ち下さい。ラムちゃん、ラッピングの柄を聞いて。ぬいぐるみだから、袋で」


「はい。お客様、贈り物ですか?」


「ええ」


「ラッピングはいかがでしょうか?」


「お願いします」


「柄はこちらがありますがどちらになさいますか?こちらから選べますが」


 ラムはラッピングの柄を見せながら説明する。


「この、青薔薇で。不可能を可能にする幻の花。今、必要なものだ」


(?なんだろう、この人。変わってるのかな?)


「かしこまりました。リボンは?」

 

「赤に金色のラメ入りで」


「わかりました。お包みします」


「商品はこちらで間違いないでしょうか?」


 ユリアが奥から戻ってきて、熊のぬいぐるみを取り出す。熊は鮮やかな水色でつぶらなひとみは黒、可愛らしいが50cmはあるだろう大きさ。


「間違いない。見事な腕前だ。来年の注文も頼む。製作者は?」


「ラムちゃん、ラッピングお願い」


 ラムは商品を受け取り、一番大きな紙袋にぬいぐるみを入れ、ラッピングする。


「今日はいません。言付けはしましょうか?」


「いいや、またお店にいる時に連絡しよう。彼は細かいから。いつだといる予定か?」


「そうですね、明後日の夜なら」


「では、その時間に連絡する。では、また頼む」


「お会計は二万ダーラスです」


「ああ。お願いする」


 男は財布からお金を出し、会計を済ませる。


「はい。確かに頂きました」


 ユリアがお代をレジにしまい、予約表に丸をつける。


「お待たせしました」


 最後にリボンにカールをつけ、綺麗に形を作り、渡す。


「ありがとう、ではまた」


「ありがとうございます。またのお越しをお待ちしています」


「ふう。まずは、予約の方からね」


「これくださーい」


「はい!」


 ユリアとラムは忙しくレジで会計、ラッピングと動き回り、昼休憩を挟んで閉店の時間となるのだった。




ーーーーーー閉店時間ーーーーーー




 ラムは表の看板をクローズにし、店の中に戻る。


「お疲れ様ー!大盛況ー!ね。なくなったでしょ?」


「はい」


(売り場にあったアクセサリー、ストラップはほぼない。次の日の分と取っていた物があるだけだった。予約も半分以上は引き渡し終了で、残りわずか)


「明日の準備を?」


「ええ。並べるわ。何もないと大変だから」

  

「わかりました。朝のように並べればいいのですか?」


「ええ。売り場だけ合っていれば大丈夫だから。やりましょう」


「持ってきましょう」


 ラムとユリアは店に商品を並べ始める。

 品物はストラップが増えているようで、ペディロが増やしたようだ。できる限り頑張ったらしい。


「補充しても足りなそうですね」


「ええ、まあ、足りなくなったら売り切れと出すだけだから大丈夫よ」


 ユリアは笑いながら言う。

 

「そうですか」


 ラムは複雑な表情をしながら、品物を並べる。


「ただいまー!」


 作業が終わった時にムスの声が響く。


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