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生贄聖女とお人好し魔技師  作者: 綴螺
お迎えの時間
93/114

説明

「まず、[バラーヤイヤー]のギルドで話をしたら、若い女性の目撃情報があった。確かめに行ったら、クローディア皇女と護衛のアステラが追われていて、助けたらガーディソード侯爵家に行くことになりました。ラムはガーディソード侯爵令嬢でした。侯爵様はとてもやり手で精霊達が山程いました。ラムの妹を探知魔法で探したら、見つけられた。だけど、場所が神殿で結界が壊れそうだから直しにいったら、壊された。怪我までして戻ってきた。アルマさんは連れていかれました。ジール王子も絡んでます」


「ほう。ラムさんは、やはり」


「はい。ラム・ガーディソードです。普通に接してもらって構いません。侯爵令嬢とはいえ、身分を隠しているので」


「そうしよう。ラムさんは聖女だと聞いたが」


「はい。聖獣はフェニックスです」


「父さん、フェニックス綺麗で七色で素敵でめっっちゃ綺麗!!羽毛はふわふわで最高で、あー、刺繍も綺麗だったし、今度」


「コーグアタック!」


「ぶっ!」


(ムスが変な方向に頭がいったから、正気に戻してる。そして、誰も不思議に思わない)


 ムスの顔面にコーグが張り付いている状態。

 変な光景なのに誰も何も言わなかった。


「コーグ、ありがとう。魔力の高さは有名だ。知っているが、聖獣は滅多に出さないと聞く。能力は?」


「浄化、炎、再生と死です」


(フェニックスは生命体の異常状態を浄化し、再生させる。時には死した人間であっても。だから再生。炎は燃やし、無くす死。戦闘にも使えるが、私は魔法ができるから、滅多に呼ばないことにしている)


「ーーー聖鳥か。それは、かなりの力ある者を連れてきた。結界が壊れる期限が迫ってきているということだろう。アルマさんを連れ戻す作戦は?」


「俺とラムが一緒にいくことが条件、『聖なる夜が終わりの日の荒野で待っている。交換』と言われたよ。何するつもりなのかしらないけど。俺とラムがいかなきゃいけない。荒野はここから数十キロ離れた[死の荒野]だろう。あの場所は生命が生きられない環境にされた唯一の場所。アルテマヴィーナ戦闘の跡地」


(ムスが詳しすぎるような)


 ラムはすらすらと言うムスに違和感を覚える。


「2人で?コーグは?」


「コーグは一緒にいる。キライなものだったから、コーグ力蓄えてめっちゃ殴ることにする」


 ムスの頭の上にいたコーグは目を光らせる。


「コーグがいるならいい。時間は昼にしなさい。他に誰が?」


「兄様にお願いしてもいいけど、どうしようか。敵も強そうだから」


(ギース兄は魔法は駄目。使えない。精霊は見えるけど聞こえないから呪には対抗できそう。ギース兄は変な感は強い。ダース兄様はここから遠い。アーマラは頼んでしまったから、戻すなら言わないといけない)


「騎士団長さんか。前衛は申し分ないだろう」


「父さん、騎士団長さんは精霊が見えるの発覚した。精霊魔法は使わないみたいだけど、ボルトが常に一緒にいるみたい。精霊は恥ずかしがり屋なのか、大人しいのかわからないけど、顔を出したら引っ込んでしまったけど」


「ほう。それは初耳だ」


「ギース兄は使わないから。見えるとも言ってない気がする。言う必要もなく、強いから」


「騎士団長さん、強いからね。騎士団長さんには来てもらった方がいいかな」


「つよつよー。ギースはつよつよ。側、安全。コーグお勧め!」


 コーグも大きく頷く。


「頼めば来ると思うーーというか、ラムが抜け出してきたのわかった。うん。過保護だよ、うん」


「ーーー!!ムス、わかるの?兄様達は過保護で、面倒」


(強いけど過保護)


 ラムは頷く。


「そうか。私から頼んでおこう。ムスから頼むのも違うだろう。私が言おう。ムスは星夜祭で護衛を受けているだろう?それの準備もある。ラムさんは安静にもいいが、屋台でも見て回るといい。せっかくの祭りだ」


「星夜祭、、か」


(年に一度の王都誕生祭で、精霊達と聖獣に感謝をするお祭だ。月光草を想い人に贈ると幸せになれるという言い伝えもあるし、平民も料理を振る舞うパーティー会場まで参加できる祭りだ。貴族の間ではお相手を探すに好都合で大イベント扱いではある。王宮側は忙しいらしい)


「ラムは貴族だから、中でパーティーに入らないの?」


「踊れないからいかないよ」


(この異性に触れると吹っ飛ばすもののせいで、パーティー参加は最低限だし、星夜祭はいつも護衛しかしていない)


「あ。ーーーごめんなさい。ラム、祭りは?出店もみたことない?」


「ない」


 ラムは首を振る。


「まあ」


「えええーーー!!まって、俺と回ろう!!ぜっったいに損してる!!俺、護衛昼間だけだし、夜回ろう!!いい部屋とるから!!王宮に泊まろう!踊りたいなら、踊ろう!」


 ラムはムスのすごい剣幕に驚いて目を瞬かせる。


「ムス踊れるの?」


(普通の平民は踊れないはずだけど。趣味なら話は別だけど)


「え?踊れるよ?アクセサリー研究に給仕や変装してこっそり潜入もするけど、絵描きということにして、念の為に踊れるように基礎は叩き込んでいるよ」


(ムス、魔工品に感しては尋常じゃないことしてるよ、、。捕まるよ、それ、、)


 ラムが若干引いていると


「ラムさん、安心してくれ。ちゃんと王宮には断ってある。ムスは魔工品とアクセサリーをいかに美しく輝き似合うかしか考えてなくてな、、」


 ペディロは頭を右手で押さえながら言う。


「ムス、突撃していく。装飾品に関しては見境ない」


 コーグも頷く。


(フェニックス見た時も声聞こえなかったから、普通なのか)


「ーー平常運転」


「そうねぇ。見境ないもの」


 ユリアも頷く。  

 家族が満場一致らしく、ラムはこれが普通なのだと理解した。


「とにかく、ラムは安静にして星夜祭に一緒に行こう」


「まあ、そこまで言うならいいけど」


(戦闘は控えた方がいいし、ムスがいるなら大丈夫だろうし、星夜祭に興味はないけど、いいか)


 ラムは頷く。


「まぁぁ。なら、ラムちゃん。化粧品買いましょ!」


「え?」


「おめかししましょう!ムスもいい服着るし、ラムちゃん可愛いもの!ね、ね!?」


 ユリアがラムの手を握り、嬉しそうに笑う。


「え、いや。普通で」


「服は俺が選ぶから。アクセサリーは全部自作のを着けてもらいたいし!」


「「!?」」


 ペディロとラムがムスの方を見る。


「ええ!ムスもやる気ね!」


「当たり前!恥かかせたくないし、最高の日にしないと!」


 2人で盛り上がっていた。


「化粧は任せなさい!ラムちゃん、明日、一緒に行きましょう」


「は、はい」


(断れない、、、。ムスもやる気あるし、ユリアさんは嬉しそうだ)


「好きにしなさい。星夜祭までは1週間か。それまで、準備をしよう。私達も店でその日だけの作品を売るし、ラムさんは飾り付けを手伝って欲しい。その予定でいいだろうか?」


「はい」


「星夜祭が終わったら、私とユリアは聖剣を護衛しよう。ムス、ラムさん、気を付けて行ってきなさい」


(ペディロさんが王宮で護衛が通るということは、全盛期相当強かったということ、か)


「わかりました」


「はい」


「では、お茶にしよう」


 ケーキと紅茶を皆で飲みながら、今後の予定が決まったのだった。

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