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生贄聖女とお人好し魔技師  作者: 綴螺
お迎えの時間
84/114

アーマラとムス

 アーマラは槍を構え、ムスは仕方なく銃を構える。

 2人共位置についた。

 シューテルは合図をするために、訓練所の真ん中についた。

 ラムはコーグを撫で回しながら、座ってみている。


「ムスー!ファイトー!」


 コーグはラムに撫でられながら、にこにこと笑っている。


「では、始め!」


 シューテルが合図をすると、アーマラが動く。

 

「ですよねー」


 アーマラは50歳代とは思えない速さでムスとの距離を詰める。

 ムスは遠距離なので、距離を詰めるのは当然である。

 ムスはアーマラを狙わずに後方へ弾を撃つ。


 パンッ、パンッ


 銃声が響く。 

 弾丸が真っ直ぐ飛び、アーマラの右頬を掠める。


(普通ならムスの弾が外れただけと思うだろうけど、アーマラは警戒してるね。武器の性能や効果が、何かわからないから)  


 アーマラは後ろを振り返る。


「コーグ、バリアー。ラム、寒くなると困るからね。ムス、久しぶりに氷弾いれたみたいー」


「ありがとう、コーグ」


 コーグにお礼をいい、ラムは頭を撫でる。

 ラムは弾が当たった場所から凍結していることに気づく。

 アーマラも気づき、後ろが凍結していくことに足を止め、目を細める。


(込められた魔力が大きい。凍結も速い。これは、自動で弾丸を撃つタイプ。ムスは危険な弾は抜いたと言ってたけど、かなり威力がありそうだよ) 


 ラムは魔法の陣を即座に解析し、魔法の威力も理解した。

 氷の鋭い結晶がアーマラに向かって、飛ぶ。


「ほう、これは、成長する氷ですか」


 アーマラは軽く十数個の氷を払い、ムスに注意を向ける。

 氷の結晶の間を縫いながら、ムスに接近する。


「えぇ!?普通ならこれで諦めるのに。弾は安くないし、合間から来られると困る」

 

 ムスは手元で弾を変える。

 違う弾をセットして、自分の左右に撃つ。

 弾から光がムスとアーマラを遮るように出現する。

 それを見て、アーマラは跳躍。一瞬で光の壁を突破する。


(アーマラなら、普通に跳び越える。ムスとの距離はあと僅か)


「アーマラさん、こわっ!ちょ、歳の割に速すぎでしょ!」


 ムスは慌てて弾丸をアーマラに撃つ。


「ちょ、やっぱり回避するよね!?」


 ムスが撃った弾は普通の弾丸。魔法は発動しないもの。


「ムスー!コーグいないから、魔法は撃てないよー!対策、対策!」


 コーグはラムの膝の上を飛び跳ねて応援している。


「普通の弓とはまた違う効果もありと、器用そうな武器、、。よし、入った」


 アーマラは槍の間合いにムスが入ったため、薙ぎ払う為に槍をふるう。

 ムスは慌てて銃を腰のホルスターに仕舞って避ける。


(え?武器をしまうの?)


 ラムはムスが近距離で武器をしまったのに驚く。

 なぜなら、近距離でもムスは撃てると思ったから。


「このっ!」


 ムスは思いっきりアーマラの槍を蹴って捻って空中へ。


「ほう、拳闘士の技か」


「やっぱり槍使いには効きませんよね。でも、これで」


(一応、一通り母親から習ったのか。拳闘士なら、空中に飛び上がる技は山程ある。さらに、ムスはあれがある)


 ムスは魔力の塊を出す。範囲は適当だろう。


「とりあえず、適当で巻き込む!」


 ムスは範囲指定できないため、アーマラがいる地面全体にぶつける。


「むっ」


 アーマラは槍を横にして防御の構え。

 訓練所全体に魔力の圧力がかかる。

 ミシッと音がする。


「私は効かないけど、皆きつそう」


「コーグも効かなーい!」


 ラムは魔力が多く、コーグは精霊だからだ。

 その重圧がかかる中、アーマラが動く。

 魔力の圧がかかる中、槍をムスに向けて突く。

 ムスは慌てて回避する。


「あー、もう、降参でー。大体わかっただろうし、俺、体力ないから、、」


 息を切らして、両手を上げる。疲れたのは本当のようだ。


(コーグがいたらムスの勝ちなのかな。コーグ、賢いし、普通に魔法打ち込むから。アーマラは騎士で乱戦も手堅く隙を見て捌いていくタイプ)


「では、訓練を終了でいいか?アーマラ」


「ええ、大体、わかりました」


「では、これで終了する」


 シューテルが終了の合図をする。

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