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生贄聖女とお人好し魔技師  作者: 綴螺
お迎えの時間
83/114

アーマラ

 長槍を持ち、銀鎧を着こなした長身の初老男性。

 顔には皺が刻まれており、歳は50歳代だというが、60歳代と言われても不思議ではないぐらいに年老いた雰囲気だ。

 ラムはアーマラにムスを紹介する。


「アーマラ、ムスだよ。明日はよろしくね」


「アーマラさん、よろしくお願いします」


「コーグだよー、よろしく!!」


 コーグはムスの腕の中で伸び縮みしていた。


「コーグ、アーマラは見えないし、聞こえないから、わからないかな」


「そんなー」


 コーグはしょんぼりとムスの腕の中で項垂れてしまった。


「わー!!コーグ、落ち込まないで。ほら、普通は見えないから。ラムは見えるから、普通にしてていいから」


 ムスはコーグを撫で回して慰める。


「よしよし、随分人懐っこい精霊だな。手合わせをしたいのだろう?その間、コーグ」


 シューテルが手を伸ばす前にラムが前に出て


「コーグ、おいでー。私と一緒にアーマラとムスの模擬戦みようねー。一番近い特等席に一緒に椅子に座ろう。おいでおいで」


「ラムのとこいくー!」


 コーグは身体を伸ばして、ラムの腕の中に収まる。


「コーグは可愛いねー。残念だけど、シューテルは諦めてね」


 コーグを腕の中に抱いて、椅子の側に向かう。


「え!?手合わせって!?」


 ムスは目を丸くしていた。


「ああ、手合わせで連携を図るから、必須になっている」


「シューテルさん!?え、え!!ちょ、アーマラさんもそれでいの!?」


「一番わかりやすくてよい。ムスくんは戦えるのだろう?なら、実戦あるのみ」


「ええー。なら、やりますが俺、弱いですよ。弾を変えるので待っててください」


 がっくりと肩を落として、銃を取り出し弾を入れ替える。


「珍しい物を使うのか。これは、しっかり見ていなければ」


「まだ?」


「まーだー?」


 ラムは会話が聞こえていたが、位置につくように促す。

 コーグはラムの膝の上で伸び縮みしている。


「ラム様、お待たせしました。今、参ります」


 アーマラがラムにうやうやしく、礼をし、慌てて位置につく。


「はい!いきます」


 ムスも慌てて配置につく。

 審判はシューテルが務めるらしく、真ん中に移動する。



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