訓練所
ラムはムスを訓練所、1階の右隅にある広場へと案内する。
屋敷は広く、端から端までいくのに10分はかかる。
「ここが訓練所」
鉄製の扉の中から大きな物音がする。
ラムが鉄製の扉を押さえている鍵を抜き、押す。
(重いから魔法を使った方がいいかな)
ゆっくりと開いていく扉は重たかった。
「あ!俺が開けるよ」
ムスが慌てて扉を押すと先ほどより軽くなった。
「おもっ!!」
「重いよね」
ラムはムスの言葉に頷く。
(どうして、重たくしたのか。でも、ムスは意外に力があるみたい。とても軽くなった。魔法を使わなくても大丈夫そう)
「よーし、開いたー!!」
ムスは息を吐いて中を確認する。
周囲を鉄と魔法の障壁で囲まれた部屋をみた。
下には弓を構えている人、剣や槍で組み合っている人、さらに、魔法や魔法を剣に纏わせて魔法剣を使っている人等、多様な武器で練習していた。
「うわぁ、、。訓練所だから、固いとは思ったけど、これ、大騒ぎしても壊れなそう、、」
ムスが引き攣った表情で呟く。
「まぁ、硬く作って魔法もかけて強固にしてるから。窓の方に壊れた傷があるでしょう?あれ、私。魔法改良中に失敗して爆発したの」
(あれは、通信機器の魔法をしようとして失敗。爆発して傷がついてしまった。泣いてたら父親が来て、にこにこ笑いながら、おやつをくれたなぁ)
ラムは懐かしむように頷く。
「傷つけた、、って、、、。いや、俺もやったけど。昔はよく自分の魔法に追いかけられて、被害にあったし、雪崩もよく、、おきた、けど」
「ラム、魔力つよつよ!」
コーグがムスの頭の上で跳ねる。
「うわぁー。揺れるー。コーグ、思いっきり跳ねるなー」
「わーい!!」
さらに跳ねて、手を振るコーグ。
「何で喜ぶの!?」
「見える人いっぱいー!コーグが手を振ると手を振り替えしてくれるー」
コーグははしゃいでいる。
「そっかぁ、、。見える人、多いって聞いてたけど、弓矢や、魔法使い、それに、戦士の人も見えるみたい」
ムスは手を振り替えしている人達に頭を下げ、コーグを腕の中に閉じ込める。
「いるよ。半々だからね」
ラムは頷く。
「コーグだよー」
身体を伸び縮みさせて叫んでいる。嬉しそう。
「よしよし、よかったなー。ただ、大人しくしててな」
ムスはコーグを撫で回す。
「わーい!!コーグは良い子!大人しくしてるー」
にこにこと笑いながら、ムスの腕の中で大人しくなった。
「ラム様、ご足労ありがとうございます。新兵を連れて練習に来られましたか?」
鎧を着た精悍な中年男性がラムに礼をしてから、チラリとムスを見て話しかける。
「ううん、違うよ。ムスも新兵じゃない。アーマラはいる?ムスが顔を見たいそう。アーマラもみたいと思うから連れてきたの」
「よろしくお願いします。えーと」
「申し遅れました。副団長を務めているシューテルです」
「ええ!?シューテルさん副団長なの!?ムスです。腕の中の精霊はコーグです」
「コーグだよー!」
「アーマラー!!お客さんだー!!
よしよし、コーグというのか。可愛いなぁ」
コーグはシューテルに撫で回されている。
「コーグ可愛いよ!」
ご機嫌で撫で回されている。
「おーー!今行く」
槍を構えている50歳過ぎの男性が返事をし、武器を収めてから駆け寄ってきた。




