予定
ムスとコーグ、ラムとトニトはレオンの案内で執務室を訪ねる。
部屋の中には本棚が壁一面に並べられ、大量に本が収納されている。
窓は上質な絹のカーテンが敷かれていたが今は締め切って天上にある、シャンデリアの光が注ぐ。
下は全て質の良い絨毯が引かれ、4人がけのテーブルと椅子。椅子の上にインクと万年筆を置いてあった。
椅子には昨日みた、銀髪でブルーの瞳のジール王子がいた。
さらに、ガーディソード侯爵は隣に座っている。
レオンが椅子を引いてくれた席にラムとムスは座る。
「ジール、やはり来たな。今回は私も帰る」
トニトがジール王子の肩に乗る。
「ゆっくり休めたか?」
「一時の休息だった。明日から働く」
「あー!サラマンダーも一緒にいる」
コーグが目をキラキラさせて、ガーディソード侯爵の隣にいるサラマンダーに駆け寄ろうとする。
「コーグ、今から真面目な話をするから、だめ。大人しく話し合い終わってから」
ムスはコーグを掴んで頭の上に乗せる。
「はーい」
コーグはムスの頭の上に乗る。
「侯爵様、お話をどうぞ」
「ああ。まず、神殿から許可が出た。明日の朝から港町ウォータの神殿へ。結界に異常が出たそうだ。王家に奉告しようとしたら、先に連絡がきたという経緯。原因を調べてほしいそうだ。このままでは、危ういと」
「あー、遅かったかな」
ムスが呟く。
「遅い?」
「異常がでた場合は力尽くで壊されるかも。弱らせた原因があるということ。誰か細工をし続けているなら、バラしたってことは、もう、バレてもいいってことだから」
(確かに。でも、遮断すれば解決する)
「私が遮断する。要はわからないものがあった場合、遮断すれば問題ないってことでしょう?」
「魔法とは限らないよ?」
「限らなくても、できるよ。異常なやつを弾けばいい」
「頼もしい、、」
「ムスは大雑把だからね!魔力あっても精度はでない。ラムは強いの!」
コーグはムスの頭の上で転がる。
「ラム、お前の魔力が高いのはわかるが、できるのか?」
「偽装を解除、後は防御すればいい、大丈夫。力比べになったら、ムスもいるし、魔力では負けないから」
(魔法は許可するものだけにすればいい。後は弾く。相手は強くてもなんとかなる)
ラムは頷く。
「時間があれば、修復は間に合うかな?大丈夫だと思う。相手がいれば、集中力を途切れさせればいいだけになる」
「ムスはコーグのお墨付き!修復速いよ。嫌いなやつはボーンするから安心して、ダース」
コーグは話しながらムスの頭の上を転がっている。
「作戦の勝算が高いならいい。手に負えない問題がでたら呼べ」
「兄様、わかりました」
「私の方もこの状態なら権力で庇える。遠慮なく言ってほしい。私も同行しようとしたが、止められて山のような書類が」
ジール王子が悲しそうな声を出す。
「「ついてこないでくれ」」
「話がややこしくなる」
「邪魔」
「あはははは!ジール王子、嫌われてるー」
コーグはダースとラムに断られるジールを見て笑い出す。
「ジール立場を考えろ」
トニトまでジールを止める。
ムスは笑いをこらえていた。
「くっ、、、仕方なくアステラを同行することにした。助けて貰った礼だそうだ」
「アステラが来るなら近接は大丈夫だね」
「後でアルマにも近接して貰えば、バランスはいいね」
「やっぱり俺も」
「ジール?書類。駄目だ。アルマ嬢が来たら、呆れられる。喜んで抱きついた後、白い目で視られたいのか?」
「ぐ、、」
(うん。アルマならするね。仕事が残ってたら何してるのって言う)
ラムは頷いている。
ジール王子は反論もできず、黙ってしまった。
「時間は朝7時にテレポで私が送る。いいな?寝坊はなしだ。昼ご飯は厨房に頼んである。帰りはムスかシルフに頼むか。好きにするといい」
「じゃあ、俺が魔力負担で」
「うん、そうしてもらえると助かる」
「決まりか。騎士はアーマラをつける」
「うん。わかった」
「アーマラさんってどんな人?」
「老兵士で槍使い。固い守り系」
「なるほど。わかった」
「戦闘力だけか」
「ムス、それで何がわかる、、」
トニトとジール王子は呆れている。
「え?戦闘力さえわかれば、連携できるから。人は見ないとわからない。近接だから、間から撃たないと当たるなぁと」
「「そう、か」」
トニトとジール王子は脱力した返事を返した。
「連携を確認したいなら、訓練所に行くといい。喜ぶだろう。ラム、案内を頼む」
「わかった」
「そうします」
「ムス、これが紹介状だ。入り口で見せれば、入れる」
ジール王子がムスに紹介状が入った手紙を渡す。
「ありがとう」
「はぁ、、行かなければならないから、行くが、頼んだ」
ジール王子とトニトの姿が消えていく。
どうやら、時間切れのようで王宮に戻されたようだ。
「無事に帰ったか。ラム、ムスを任せた」
「はい。ムス、訓練所はこっち」
ラムは頭を下げて扉を開ける。
「うん。ラム、お願い。侯爵様、失礼します」
「コーグも楽しみー!サラマンダーまたねー」
ムスは頭を下げ、コーグはムスの頭の上を跳ねて挨拶をする。
ラムとムス、コーグは部屋を後にした。




