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生贄聖女とお人好し魔技師  作者: 綴螺
お迎えの時間
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お菓子

 ラムは思っていたより、疲れていたようだった。

 姉と甥に挨拶をし、夕食、お風呂でゆっくりしたらいつの間にか寝てしまった。

 今は午後。場所は昨日と同じ、広場。聖水の噴水があり、檜で作られた椅子にテーブル、上にパラソルまでつけられた、椅子にテーブル。

 ラムは今椅子に座っている。精霊達が休憩所の周りを飛びまわり、ムスを待っている。お茶は既に私が用意していた。


「約束ー!!」


「きたー!!」


 ムスの頭の上にはいつも通りコーグが乗って登場。大皿に山のようなクッキーをのせ、やってきた。


「お待たせー!!」


 シェーラも一緒にきて、ラムの膝の上に乗った。

 にこにこと笑っている。


「クッキー!!楽しみ!!」


 シェーラがそう笑顔でラムにいう。シェーラはラムと一緒に行動したいようで、消滅しないギリギリまで一緒いる。今日は魔力をかき集めてきたようで、少し大きかった。


「うん、シェーラも一緒にたべようね」


「ラムと一緒にお菓子食べれる!嬉しい。住処ができたら、ピクニック。とても楽しみ」


 シェーラはラムにしがみつく。


「それまで、我慢だからね、シェーラ」


 ラムはシェーラの頭を撫でる。嬉しそうだ。


「はーい!」


 シェーラは嬉しそうに笑う。

 精霊達との約束でムスがお菓子と魔力の球を並べていた。


「並べー!」


 ムスが魔力球を並べた頃合いを見計らって、精霊達が並ぶ。少し魔力球にそれぞれ精霊達が魔力を入れ、満たしていきながら、お菓子をもらっていく。


「さくさく!」


「魔力魔力!」


「うまうま!」


 精霊達はクッキーを食べ、紅茶を飲み嬉しそうに飛び回っている。


「シェーラも貰って!」


 コーグがシェーラを呼ぶ。


「魔力!」


 シェーラが少しだけ魔力をこめ、クッキーを貰う。


「私も少し、、。光でいい?」


 ラムは全ての属性が使えるため、ムスに聞く。


「うん。光で。やっぱり防御は光属性だから、なかなかたまらなくて」


「私はたくさん食べたいから、はい」


 空の魔力球に簡単に光属性の魔力を満たす。


(クッキー残さず食べたいもの。味はチョコ、いちご、抹茶、バター。全種類制覇はしたい)


「ラム令嬢は相変わらず規格外」


「綺麗な魔力ー」


「うわぁー。魔力球壊れそうなぐらい魔力が詰まっちゃった。いいの、これ」


「綺麗、きれい!」


 シェーラがキラキラした目で見る。

 魔力球が白く光り輝いていた。もう、魔力が入りませんという証。


「ラム令嬢、甘い物大好きだからなぁ」


「本気魔力!」


「キラキラ」


 精霊達も喜び騒いでいる。


「いいの。代わりにクッキーもらうね。全種類食べる」


 ラムは4枚貰い、紅茶の側へ持っていき、クッキーを食べながら紅茶を飲む。


(さくさくしてて、甘みはそこそこ。素朴でとても美味しい)


「ムス、意外に普通に美味しい」


「コーグももらいー!!わーい」


 コーグは大切にクッキーをしまう。2魔力は魔力球にたっぷり注いでクッキーを2、3枚もらっていた。


「え。どんな味を想像してたの?」


「激甘?はちみつたくさんでクッキーの形してないのが、何個か混ざってる」


「俺、甘い物はそんなに上手くないけど、クッキーは大丈夫だよ、、。料理は作れるから。何とか。甘いのは好きだけど、しないからね。甘すぎはダメ」


(そうなんだ。ジャムはパンケーキに山程かけていたのに。蜂蜜も。作るものは甘くないのか)


「ふーん」


「信用なかった!!」

 

「甘々なムスー」


 コーグはぴょんぴょんと跳ねる。


「うう、ジャムはたっぷりかける派だけど」


(あれは、埋もれるほどだよ、、)


 パンケーキが見えなくなるまでかけていることをラムは思い出す。


「普通でよかった。皆、明日はおでかけだから、ムスもいないからね」


「「「「「えーーー」」」」」


 精霊達は悲しそうな顔をする。


「悲しみ」


「ラム令嬢が帰ってきたのに」


「ムスも行っちゃうのか、、」


「うう、まだまだ話したい」


「一段落したら、戻ってくるよ。大丈夫、アルマも連れてこれるかもしれないよ」


「アルマ令嬢」


「戻って来る!?」


「お迎え」


「お迎えだ!」


「シルフ、感激!お知らせー!!」  


 シルフはクッキーを食べ終わると、広場を出ていった。

 精霊達はわいわいと相談している。


「シルフは騒がしいな。まだ、確定ではないというのに」


 コーグの真上に乗るトニト。


「ぶにゅ。コーグ、潰れるー」


「あれ?ジール王子のとこにいかなくていいの?」 


 ムスは大きさと口調からトニトがジールと一緒にいるトニトだと気づく。


「必死になって今日は来るだろうから、残ることにした。王宮も一段落したし、たまには身体を伸ばさないと凝る」


 トニトは上下に伸び縮みしていた。


「コーグの頭の上に乗るのはよくないよ!コーグ潰れる!」


「ムスの頭の上を占領しているのが悪い。たまには座り心地が良い場所で休みたい」


「うぅー。わーん、ラムー」


 コーグはムスの頭の上からラムの膝の上へ降りていく。


「よしよし、おいでコーグ。なでなで」


 ラムはコーグを撫で回す。


「シェーラも!」


「うん、なでなで。トニト、大変だったの?」

 

 シェーラはラムに撫でられて嬉しそう。

 目を閉じてムスの頭の上で寛いでいるトニトに尋ねる。


「ああ、王宮は疲れる。悪意まみれだ。ジールが大変すぎる。今は落ち着いたから休憩時間。また、大変になる前に」


「王室は大変だもんね。精霊達もゆっくりできないか」


「できないな。ふう、充電した。おそらく、挨拶だけして帰るだろう。ムス、そろそろジールが来る」


 トニトがそう言うと広場にレオンが現れ、頭を下げる。


「ラムお嬢様、ムス様、明日の予定について侯爵様がお呼びです」


「行きます」


「わかった」


 2人は立ち上がる。


「皆、今日はこれでおしまい。お菓子は置いていくから皆で食べてくれ」


 ムスは魔力球をバックにしまう。

 そして、精霊達に手を振る。


「ばいばいー」


「また来てね!」


「今度は出迎えの時!」


「皆、またね。シェーラも今日は帰りなさい。お話、長そうだから」


「わかったー。また、遊びにくる!ラム、あまり長期間あけないでね。寂しいー」


 シェーラはぎゅっとラムの腕にしがみついてから、離れる。


「うん。帰ってくるからね」


 トニトはムスの頭の上からどき、ムスの肩の上にいる。


「コーグの席ー!」


 さっとムスの頭の上にコーグは乗る。


「レオン、挨拶終わったからいく」


「かしこまりました。こちらです」


 レオンが案内する形でムスとラム、レオンは精霊達に見送られながら、広場を後にした。

 

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