探知魔法2
神殿のただの壁の前、ラムは手をかざして、頷く。
(魔力がここで切れてる。繋ぎ目だ。ここなら、すり抜けられる)
「ムス、ここからいくよ。私がすり抜けたら続いて」
「わかった」
ムスは頷く。
ラムは手をかざして、魔力の切れ目の間に綺麗に身体を滑り込ませて中に侵入する。
「ムス、同じ場所から」
ラムは手を差し出す。
「わかった」
ムスはラムの手を掴んで同じ場所から、中へ侵入。
魔法を使用しているのに、弾かれることなく上手く入った。
中に入ったため、《感覚の魔法》(サーチ)が発動し、赤い点が現れる。
「待ってね、、《見破り》」
ムスが周囲を見渡す。
「いた!あっち!全く同じ指輪の効果がある」
「本当に!?行こう!」
「確かめよう、ついてきて!」
ムスが神殿の前へ移動する。
その後ろについていく、ラム。神殿の入口を入った通路の奥には当然、鎧を着た護衛がいるが、2人は魔法で覗いているだけ。見えるはずがない。
上空を素通りし、反応がある奥へ奥へと進む。
神殿の奥に厨房がある。その奥に働いているメイドの格好をしている元気そうな女性。
年はラムより若いぐらいで、金髪に空色の瞳をしていた。
「アルマ!!」
ラムが声をあげる。そして、アルマと呼ばれた人の周囲をぐるぐると旋回する。
「ーーーーー、魔工品はラーさんが作っていて、光属性。次に強化に攻撃魔法、現物はそっくり。設計図通り、サイン同じ。うん、間違いなく現物はこれ。ラムが見て妹さんで間違いない?」
ムスが指輪を凝視しつつ、分析する。
山のような効果を1個、1個確かめながら頷いていく。
「うん!無事でよかった!でも、、、なんで、給仕係に?」
「わからない。何か問題でもあるのか?まあ、少し神殿の結界が弱い気がするけど、、長居は無理だよね」
「弱い?長居はあまりよくないけど、見るぐらいなら大丈夫だよ」
(防御魔法は力量の問題だけど、神殿の結界は封印のことだ。どうなんだろう?)
ラムは首を傾げる。
「少しだけ結界の様子を見させて欲しい」
「いいけど、ある場所わかるの?」
「反応があるから。こっち」
ムスは迷うことなく石畳の通路、地下の階段を見つけ降りていく。
階段を降りると迷路になっているようで、入り組んでいた。
光は通さず、迷うことなくムスが右、左、直進と進んでいく。
(迷いがない。完全に場所わかるみたい。神殿の中は地図を公開してないはずだけど、どうしてわかるのだろう)
ラムは疑問に思いつつも、ムスの後ろをついていく。
だんだんと通路が暗くなり、護衛の人が徐々に増えていく。もちろん、2人は魔法で覗いているだけなので、見つからないし、気にしている人もいない。
気温も徐々に下がり、ひんやり冷たくなっていく。
視界も悪く先の通路が見えなくなった後、重厚な扉が現れた。
「あー、開いてないか」
ムスが落胆した声を出す。
「この扉の先?」
「そう。反応がある。この部屋の、おそらく中心、だと思う。うーん、弱いのはわかるけど、、修復が必要かもしれないし」
「すり抜けは《感覚の魔法》(サーチ)中はできないからね。開けるのはバレると思うし、侵入は無理かもしれない。修復は守護者がしていれば、無事では?」
(封印には守護者がついており、封印の管理をしている。綻びが出ればわかるはず)
「そうだけど、偶に、、わからないように弱らせられている時がある。王宮の封印はもう少しで壊れるところだったから。修復はいる場合がある」
「そうなの?ムスは何でわかるの?」
(守護者の適性がある人はわかるようだが、ムスは魔技師だ。わかるはずがない)
「魔工品と似てるからかな。前に薄暗い雲みたいな丸いふわふわした実態がないものが見えるっていったよね。呪いの品物は、物から黒い煙がでているのが見える。この2つものが複合した、なんとなく嫌な灰色の煙が隙間から漏れ出しているのが、結界魔法みたいな封印が弱っているものの特徴というか。何かよくないものが出てきそうな気配がするから、わかる。でも、実際にみないと、封印が解けそうなのか、物が壊れそうなのかわからないから判断できない」
(物理なのか、魔法なのかが問題か。魔工品も封印と似たようなものなのかな。方や持ち主を護るために発動する触媒が魔工品。封印は魔法を強化し、永遠に閉じ込めるもの。持続するように魔力を流す触媒が必要になる。用途は違うけど、仕組みは似ている)
「扉は開けられないから戻りましょう。破壊したら怒られるし、迎えに行く時にのぞかせてもらおう。ジール王子様とダース兄さんに頼めば見せてくれると思う」
「神殿はガード硬いよ?」
「ダース兄は怖いよ?上手いこともぎ取ってくると思う。ジール王子様はしらないけど、心配ない。帰ろう」
「こわっ、、。う、うん」
「魔法解除しよ。ムス」
「わかった。じゃあ」
2人は目を瞑る。
ゆっくりと息をはき、魔法を解除する。




