スープパスタ2
「ユリアさん、スープパスタはスープにいれるので、パスタは硬めに茹でてください。具材は合えばなんでもいいので、上にのせるといいですよ。スープが美味しいと全体がおいしくなります。今回は野菜が少ないのでサラダはお願いします」
「わかったわ。応用がききそうね。工程も省略できれば、できそうだわ。サラダを作るわね!」
コーグは2人が話している間にパスタを口に運ぶ。
もぐもぐ口を動かして、パスタを飲み込む。さらにスープや具材も食べ進める。
「ーー!おいしい!!ラム、美味しい!!」
コーグはラムに体当たりする。
「わっ!」
「あらら?ラムちゃん、私がサラダを作るから居間で持ってていいわよ。コーグが何かしてるみたいだから」
「は、はい。コーグ?」
とりあえず、突進してきたコーグを腕でかかえてみる。
「おいしい!とっても美味しい。スープはさらさら。しらすがパラパラ。魚の身はふわふわ。もちもちパスタもちもち」
コーグは嬉しそうに目をキラキラさせて、ラムを見つめながら話す。
見るとコーグの皿は半分まで減ってる。
「もう少し食べる?」
「食べる!皆揃ってから食べる。また、作ってくれる?コーグ、お気に入り増えた!」
(ずいぶん、気に入ってくれたみたい)
嬉しそうにコーグは翼をパタパタと動かしている。
「うん。いいよ。材料さえあれば簡単だもの」
「やったー!」
コーグはラムの腕の中でくるくる回り始めた。
「可愛い」
(本当にコーグは可愛いなぁ)
「ご飯だから、ムスとペディロを呼んでくる!」
はっと我に返って、腕から飛び出していく。
「お願いね」
猛スピードで飛び出していったコーグは、みていて微笑ましい。
ーーー数分後ーーー
「呼んできたー!!」
コーグはムスの頭の上で飛び跳ねていた。
「コーグー。振動すごいからやめてくれー」
ムスはぼよんぼよんとされているため、頭が揺れていた。
流石に疲れた目をしている。
「スープパスタ美味しいよ。ムスも食べるべき」
コーグは飛び跳ねるのをやめて、大人しくしていた。
ムスと、ペディロ、ラムは席につく。
「おはよう、ラムさん。コーグが騒がしくて申し訳ない」
ペディロはきっちり全身黒い。なぜか、スーツを着ていた。
「いいえ、大丈夫です。むしろ、元気でいいと思います。本日ペディロさんはお出かけですか?」
「そうだ。少々、呼び出されてしまったから、移動することになった。室内に跳ぶから日光は関係はないが、なかなかやっかいな問題らしい」
「私もいきましょうか?」
「いいや。大丈夫だ。それより、ムスについててくれ」
「ムスに?」
ラムは首をかしげる。
「ムス」
ペディロがぐったりしているムスに視線を投げかける。
「あ、うん。ラム、隣町にいってギルド依頼を見てみない?人攫いの情報あるかもだし、俺の魔針の注文は隣町でしてるから、どっちみちいかないといけない。昨日入ったワイバーンの素材を届けてみて、制作依頼もしたいし、鱗加工の見本あるか、実物も見たくて」
「そうなの。もちろん、いく。アルマの情報は少しでも欲しい」
「よかった。コーグ、スープパスタ食べたらでかけるよ。ラム、俺の魔力で飛ばして欲しい。町の名前は[バラーヤイヤー]」
「わかったー。ラムと一緒ー!」
コーグはムスの頭の上で頷く。
「コーグ、よろしくね。鍛冶屋が有名で盛んな町。特に優秀な者を揃えている町だね。いったときあるから、大丈夫だよ。だけど《空間魔法》(テレポート)を使う必要性は?」
「それは、隣の国でクーデターが起きたらしい」
「え」
(情勢が悪化していたの!?それは、出歩くのは危険だ)
ラムは目を真ん丸にする。
「場所はラスティー王国。女王が何者かに撃たれた。女王様はこちらとの和平を長年望んでいたし、もう少しで調停を結べるまで漕ぎ着けた。商人達も商売の話で持ち切りで喜んでいた。そんな中でのクーデター。反対派が強行突破したようだ。戦争にはならないだろうが、御息女も行方不明。生きていればいいが、亡くなっていた場合は両国関係が危険な状態になるかもしれない。これは、慌ててラスティー王国から逃げてきた商人達の話だ。先程、遠視したが確かにクーデターが起きていて、死体の山だった。女王様、賛成派はかなり多かったはずだ。不意打ちされたに違いない。王室も大騒ぎだろう」
「そんな、、」
(ギース兄、ダース兄、大丈夫だろうか。辺境の地で領地がラスティー王国に近い。今は春で道の横断も容易。ダース兄には伝えた方がいいかもしれない)
「ペディロさん、速達で兄に連絡をしたいのですが」
「ああ。したほうがいい。ムス、紙鳥使えるだろう?透明をかけて、魔工品にしなさい」
「ラム、普通サイズの折り紙でいい?」
「うん。それでお願い」
「はい。ペンはこれ使って」
ムスは素早く陣をかいて、紙を出した。
書くものはいつも身につけている万年筆を渡す。
「ありがとう」
ラムは素早く受け取り、ラスティー王国クーデター。女王死亡、王女行方不明。国境付近気をつけるように、とメッセージをかく。そして、私の手紙だとわかるよう、サインをかく。
「これで」
「うん、血は繋がった兄妹?」
ムスは手紙を鶴の形に折る。
「うん」
「じゃあ、血縁者のみ見えるようにして飛ばす」
ムスはラムの手紙の裏に、魔法の陣を描く。まずはに矢印をかいて《空間魔法》(テレポート)の陣、さらに血縁者のみ見えるように《透明魔法》(クリア)を刻み、条件発動、鍵のマークを刻み血縁者除外を刻む。
「発動」
陣を発動させて魔法を完成させると、すぐに消えた。
「これで、大丈夫。よし、ご飯!」
ムスは元気な声をだす。
「はい、スープパスタとサラダよー」
ユリアが元気に朝ご飯をテーブルに並べる。
「スープパスター!」
コーグは目をキラキラさせる。そして、自分の席に座る。
「わー!美味しそう!ラム、さすが!」
ムスは笑顔でスープパスタを見ている。
「ほう。では、いただきます」
「ほら、ラムちゃん!」
「あ、はい」
(この切り替え、はやすぎる。さっきまでの深刻な雰囲気はどこいったの?)
ラムは自分の作ったスープパスタを食べる。
「美味しい。コーグが騒ぐのわかる」
「でしょー。ユリ母さんのも美味しいけど、スープパスタ美味しい!」
「あら、美味しいわね!」
コーグとムスに褒められながら、楽しい食事の時間は過ぎていった。




