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生贄聖女とお人好し魔技師  作者: 綴螺
一章 捜索
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スープパスタ2


「ユリアさん、スープパスタはスープにいれるので、パスタは硬めに茹でてください。具材は合えばなんでもいいので、上にのせるといいですよ。スープが美味しいと全体がおいしくなります。今回は野菜が少ないのでサラダはお願いします」


「わかったわ。応用がききそうね。工程も省略できれば、できそうだわ。サラダを作るわね!」


 コーグは2人が話している間にパスタを口に運ぶ。

 もぐもぐ口を動かして、パスタを飲み込む。さらにスープや具材も食べ進める。


「ーー!おいしい!!ラム、美味しい!!」


 コーグはラムに体当たりする。


「わっ!」


「あらら?ラムちゃん、私がサラダを作るから居間で持ってていいわよ。コーグが何かしてるみたいだから」


「は、はい。コーグ?」


 とりあえず、突進してきたコーグを腕でかかえてみる。


「おいしい!とっても美味しい。スープはさらさら。しらすがパラパラ。魚の身はふわふわ。もちもちパスタもちもち」


 コーグは嬉しそうに目をキラキラさせて、ラムを見つめながら話す。

 見るとコーグの皿は半分まで減ってる。


「もう少し食べる?」


「食べる!皆揃ってから食べる。また、作ってくれる?コーグ、お気に入り増えた!」


(ずいぶん、気に入ってくれたみたい)


 嬉しそうにコーグは翼をパタパタと動かしている。


「うん。いいよ。材料さえあれば簡単だもの」


「やったー!」


 コーグはラムの腕の中でくるくる回り始めた。


「可愛い」


(本当にコーグは可愛いなぁ)


「ご飯だから、ムスとペディロを呼んでくる!」


 はっと我に返って、腕から飛び出していく。


「お願いね」


 猛スピードで飛び出していったコーグは、みていて微笑ましい。



ーーー数分後ーーー



「呼んできたー!!」


 コーグはムスの頭の上で飛び跳ねていた。


「コーグー。振動すごいからやめてくれー」


 ムスはぼよんぼよんとされているため、頭が揺れていた。

 流石に疲れた目をしている。


「スープパスタ美味しいよ。ムスも食べるべき」


 コーグは飛び跳ねるのをやめて、大人しくしていた。

 ムスと、ペディロ、ラムは席につく。


「おはよう、ラムさん。コーグが騒がしくて申し訳ない」


 ペディロはきっちり全身黒い。なぜか、スーツを着ていた。


「いいえ、大丈夫です。むしろ、元気でいいと思います。本日ペディロさんはお出かけですか?」


「そうだ。少々、呼び出されてしまったから、移動することになった。室内に跳ぶから日光は関係はないが、なかなかやっかいな問題らしい」


「私もいきましょうか?」


「いいや。大丈夫だ。それより、ムスについててくれ」


「ムスに?」


 ラムは首をかしげる。


「ムス」


 ペディロがぐったりしているムスに視線を投げかける。


「あ、うん。ラム、隣町にいってギルド依頼を見てみない?人攫いの情報あるかもだし、俺の魔針の注文は隣町でしてるから、どっちみちいかないといけない。昨日入ったワイバーンの素材を届けてみて、制作依頼もしたいし、鱗加工の見本あるか、実物も見たくて」


「そうなの。もちろん、いく。アルマの情報は少しでも欲しい」


「よかった。コーグ、スープパスタ食べたらでかけるよ。ラム、俺の魔力で飛ばして欲しい。町の名前は[バラーヤイヤー]」


「わかったー。ラムと一緒ー!」


 コーグはムスの頭の上で頷く。


「コーグ、よろしくね。鍛冶屋が有名で盛んな町。特に優秀な者を揃えている町だね。いったときあるから、大丈夫だよ。だけど《空間魔法》(テレポート)を使う必要性は?」


「それは、隣の国でクーデターが起きたらしい」


「え」


(情勢が悪化していたの!?それは、出歩くのは危険だ)


 ラムは目を真ん丸にする。


「場所はラスティー王国。女王が何者かに撃たれた。女王様はこちらとの和平を長年望んでいたし、もう少しで調停を結べるまで漕ぎ着けた。商人達も商売の話で持ち切りで喜んでいた。そんな中でのクーデター。反対派が強行突破したようだ。戦争にはならないだろうが、御息女も行方不明。生きていればいいが、亡くなっていた場合は両国関係が危険な状態になるかもしれない。これは、慌ててラスティー王国から逃げてきた商人達の話だ。先程、遠視したが確かにクーデターが起きていて、死体の山だった。女王様、賛成派はかなり多かったはずだ。不意打ちされたに違いない。王室も大騒ぎだろう」


「そんな、、」


(ギース兄、ダース兄、大丈夫だろうか。辺境の地で領地がラスティー王国に近い。今は春で道の横断も容易。ダース兄には伝えた方がいいかもしれない)


「ペディロさん、速達で兄に連絡をしたいのですが」


「ああ。したほうがいい。ムス、紙鳥使えるだろう?透明をかけて、魔工品にしなさい」


「ラム、普通サイズの折り紙でいい?」


「うん。それでお願い」


「はい。ペンはこれ使って」


 ムスは素早く陣をかいて、紙を出した。

書くものはいつも身につけている万年筆を渡す。


「ありがとう」


 ラムは素早く受け取り、ラスティー王国クーデター。女王死亡、王女行方不明。国境付近気をつけるように、とメッセージをかく。そして、私の手紙だとわかるよう、サインをかく。


「これで」


「うん、血は繋がった兄妹?」


 ムスは手紙を鶴の形に折る。


「うん」


「じゃあ、血縁者のみ見えるようにして飛ばす」

 

 ムスはラムの手紙の裏に、魔法の陣を描く。まずはに矢印をかいて《空間魔法》(テレポート)の陣、さらに血縁者のみ見えるように《透明魔法》(クリア)を刻み、条件発動、鍵のマークを刻み血縁者除外を刻む。


「発動」


 陣を発動させて魔法を完成させると、すぐに消えた。


「これで、大丈夫。よし、ご飯!」


 ムスは元気な声をだす。


「はい、スープパスタとサラダよー」 


 ユリアが元気に朝ご飯をテーブルに並べる。


「スープパスター!」


 コーグは目をキラキラさせる。そして、自分の席に座る。


「わー!美味しそう!ラム、さすが!」


 ムスは笑顔でスープパスタを見ている。


「ほう。では、いただきます」


「ほら、ラムちゃん!」


「あ、はい」


(この切り替え、はやすぎる。さっきまでの深刻な雰囲気はどこいったの?)


 ラムは自分の作ったスープパスタを食べる。


「美味しい。コーグが騒ぐのわかる」


「でしょー。ユリ母さんのも美味しいけど、スープパスタ美味しい!」


「あら、美味しいわね!」


 コーグとムスに褒められながら、楽しい食事の時間は過ぎていった。


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