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生贄聖女とお人好し魔技師  作者: 綴螺
一章 捜索
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コーグの遊び


 ムスとコーグとラムはラムが作った空間の中にいた。

 その中は太陽が光り輝き、下には芝生が敷き詰められていた。泉もあり、水は透き通っていて綺麗だ。とても明るい場所で、

素敵な場所だった。


「すご、、」


「キレー!!ラム、すごい!!」


 ムスは目を丸くして周囲を見回している。

 コーグは飛び回ってはしゃぎながら、ラムの腕の中に突撃。


「わっ」


「素敵な場所!!コーグ、嬉しい」


 コーグは目をキラキラしてラムを見つめる。


「気に入ってくれたなら、よかった。何して遊ぶ?遊具なら、少し作れるよ」


(喜んでる。可愛いなぁ、コーグ)


「コーグ、ボール当て合いで遊びたいー。ムス、弱々だから。ラムは強そう。しかも広いから楽しそう!」


「ボール?」


「俺が弱いんじゃなくて、コーグが強すぎるの!俺、魔力の制御が下手くそだから、何個も投げれないし、遠慮なくホーミングするコーグが!!やりすぎでしょ。俺の魔力使っていいけど!差がありすぎ!」


「ホーミングボール投げる!でも、ムスはうまく回避する。だから、たくさんなげる。当たる。魔力で丸くこうするの!」


 コーグは頭の上に5センチぐらいの丸いボールを出す。

 色は紫だ。


「数の暴力!俺が制御下手くそだから、陣を描くしかないの知ってて。コーグ、うりゃー」


 ムスはラムの腕の中にいるコーグを後ろから揺らす


「わー。ブルブルいやー」


 コーグは身体を180度回転させて、ムスの手を翼で叩く。

 ラムはそのやり取りは眼中になく、紫色のボールを凝視している。


「ーーー、魔法の陣は当たると破裂。他は《火の魔法》(ファイヤーボール)と同じかな。イメージして、、。燃える火の球、破裂する熱風《火の魔法》(ファイヤーボール)」


 ラムが集中して詠唱すると、紫色の火の球が現れた。


「ムス、ブルブルやめ。ラムが魔法使ったよ!ほら、完璧じゃないかな?」


「こうでしょ?」


 ラムがコーグの紫色のボールに当てると、ボンッと音がして相殺されて消えた。


「そうそう!当たると相殺する球!完璧!当たったら終わりね。いくらでも増やしていいし、奇襲もあり。シールドはなし!球は回避するか、相殺してね」


「え!?ラム、天才!?うそ、なんですぐできるの、、?俺、1時間かかったのに」


 ムスは呆然としている。


「魔法使いならできるよ、これ。普通」 


「普通、、」


「わーい!これでラムと一緒に遊べるー!」


「ね。ムス、始めるよ。位置は?」


「え。あ。まって。俺、構えてないから」


 ムスは万年筆と紙を取り出す。


「あれ?万年筆?」


「インク切れしたら、球が集団で襲ってくるもの。万年筆でインク補充していた方が安全だからね。ペンは中が見えないからインク切れするかもしれない」


(なるほど。ムスはよく考えているらしい。万年筆の中は透明でキャップだけ、藍色。随分、質が良さそう。商売道具なのかな)


 ラムは万年筆を見ながら、コーグとは対面で三角形を作るように配置につく。

 

「じゃあ、この位置から始めるよ。合図はコーグがするから」


「うん!コーグ、花火出すから、花火が咲いたらね!ぽーん!」


 コーグが、大きな黒い球を空に打ち上げる。

 ラム、ムス、コーグがそれぞれ固唾をのんで空を見上げて、花火が咲くのを待つ。

 太陽が雲に隠れ、顔を出すを繰り返すこと3回目。ついに、大きな音と共に黒い球から七色に輝く花火が咲いた。


 ムスは移動しながら、陣を描く。

 コーグは、黒い球を瞬時に数十出してムスとラムに半分ずつ投げる。

 ラムは詠唱だけ一回して、白い球をコーグとムスに十個ずつ投げた。


「はい。終わり」


(まあ、素直に見える球だけなげるはずないよね)


 ラムは白い球の他に透明な球を数十個投げていた。

 コーグは耳で魔力を感じ、ひょいひょいと回避。

 一方、ムスは見える球に逃げるのに必死で全く気づいていない。


「え。ちょ!?なんで!?」


 ボンッと音がして、ムスは爆発に巻き込まれた。

 始まってから、一分も経っていない。

 ムスはアウトである。


「むむ!!ラムは強敵の予感!!」


「やっぱり、コーグは位置がわかるか。私も相殺させてもらったけど」


 早々にコーグとラムだけの戦いになった。

 ラムはコーグが撃ってきた球は白い球で相殺していた。

 両者は睨みあっている。静かに火花が散っているようだ。


「あー。俺は何もしないで終わりかぁ」


 ムスはその場に座り込み、2人の様子をみている。


「コーグ、全力!」


 コーグは紫色の球を10、小さな紫色の球を10で不規則な速さ、遅い速いを混ぜて投げる。


「うん。空間認識能力が下手ならこれでアウトだね」


 ラムはにっこりと笑う。

 コーグに対して正面に100個ほどの白い球の集合体を出して、コーグの攻撃を防ぎつつ、ラムは左右から白い球を飛ばす。


「む!!ラム、うまいね!」


 コーグは回避できないのを瞬時に紫色の球をだし、相殺。

 共に譲らない一進一退の攻防。

 

「長そう、、」


 ムスは球が相殺、防御、攻撃と切り替わるのを見つめていた。

 それは、ムスの前で何度も繰り広げられる攻防。互いに技量は一緒で、魔力も多いため、球切れはありえず何度も爆発を繰り返し、時間は過ぎていった。

 



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